静岡茶屋巡り~御所丸~

OCHA TIMES編集長
静岡茶屋巡り~御所丸~

茶懐石形式のお食事を歳時記と共に、ゆっくりと楽しめる茶喫茶の店「 御所丸(ごしょまる) 」

御所丸

経営するのは講演も開く食の都の仕事人「竹内章代」さん。

通常の来店では喫茶メニューを頂けますが、茶懐石などの食事をとる場合は2,3日前には予約を入れる必要があります。

メニューの丁寧な説明と共にいろんなお話をさせていただきました。


竹内章代「こちらの5段重ねには意味があります。一番下が土の色、その上に雪の色、その上に芽の色、その上に花の色、最後に雌しべ雄しべの色と自然の成り立ちを表しているのです。こちらの金平糖ですが、皇室御用立の金平糖になります。この大きさになるまで2週間かかるんですよ。金平糖はポルトガルから献上されたモノなのです。なので日本で最初に金平糖を食べたのが織田信長と言われています。」

—「なるほど。織田信長が日本で初めて金平糖を食べたんですか」

竹内章代「はい、そう言われています。こちら徳川家康が愛したとされる抹茶になります。抹茶は宇治のものなんです。昔は都は京都や奈良にありましたよね。なので皇室御用達の食材は京都や奈良から取り寄せるのが多いんです。このお盆は慶応時代から使い続けているものです。そして抹茶の器は地面から高いほど、その方の格が上だということを示すと言われています。」

御所丸

—「なるほど、そういう決まりがあるわけですか。これが家康公が愛したという抹茶。京都産ですか。濃いけれどしつこくないですね。」

竹内章代「こちらが煮梅です。日本料理の中で最も時間をかける料理なんです。一年以上の梅干しの塩出しを含め、更に10日ほどかかります。こちらもどうぞ、漢方のお茶になります。漢方は身体を冷やすと駄目だという考えなのです。なのでこのお茶にも身体を温める作用があります。」

御所丸

—「日本料理の中で最も時間のかかる料理ですか!?食べるのが勿体無い。漢方のお茶、こういうお茶もあるのですか。お茶の世界は深い。今日は本当は茶懐石を食べてみたかったんですけれど、予約が必要なんですよね。」

竹内章代「料理が予約制なのは時間をかけて作るからなんです。2日3日かけて調理しますので。」

—「そんなにかけるんですか、いますぐに注文できるモノというと何がありますか?」

竹内章代「はい、わらび餅「岡田夫」なら作れますよ。ただ、わらび餅もすぐに硬くなってしまうので作り置きは出来ないんです、なので注文を受けてから作っています。よしの葛にわらび粉を混ぜ合わせて作ります。黒蜜もつくっているんですよ。」

竹内章代さんが見るお茶業界について

—「日本茶は美味しいし身体にも良いです。ただ、その本当の味が知られていない。仮に日本茶から人々が離れてしまうとしても、まず本当の日本茶の味と効用を知ってそれから判断してほしいと思っています。今や急須を持っていない家庭すら多いらしいというのは、残念なことです。」

竹内章代「東京のマンションのお住まいの方で、お茶を急須で飲んだ後、茶葉をそのまま排水溝に流したことで排水溝が詰まってしまったということがあるそうです。それほどお茶離れは深刻だと思います。あとプロフェッショナルに茶街が取材されて放送された事がありますよ。また国立研究所でお茶に含まれるカテキンがインフルエンザに聞くという研究結果が発表されたそうです。お茶だけでなく、食べ物も時代が変わっているのです。例えばごぼう等の根菜類は日本人くらいしか食べないんですが、ごぼうは皮を剥いて水さらして、と調理工程が必要なので時間のない現代人は敬遠するんです。現在ごぼうの生産量は30年前より下がっています。」

—「ごぼうもそうなんですか。食べ物が移り変わるとともに人も変わるのかもしれませんね。」

竹内章代「今は野菜工場など作り方から大きく変わっていますよ。いろいろな光を当てると野菜の生長サイクルが増えるというのがわかり、野菜工場では早いサイクルで野菜を生長させてどんどん採取して売り出しているそうです。ネットで検索してみると読めると思いますよ。何でも野菜工場では特殊な光を当ることで通常の4倍以上のサイクルで栽培することを可能にしているそうです。」

—「科学技術の発展の恩恵は凄いですね(笑)」


抹茶から茶懐石まで食に造詣の深い御所丸の竹内章代さんに閉店時間を大きく過ぎてまでいろいろお話させていただきました。御所丸はバリアフリーですので車椅子でも入店できます。御所丸では茶道などのお稽古も開いており、食事を取るのであれば、必ず2~3日前に電話などで予約が必要になります。お茶を中心にひとつひとつの食について深い歴史と文明を感じながら過ごせるひとときを楽しみに来てはいかがでしょうか。

以上、編集長による御所丸のレポートでした。

お店の情報

住所 〒420-0026 静岡市葵区大鋸町5-9
ホームページ https://gosyomaru.com/
電話番号 054-254-8114
電子マネー・カード決済 現金のみ
営業時間 12:00 ~ 17:00
定休日 火曜・水曜・不定休あり
駐車場 あり(少数)
アクセス 東名高速静岡インターチェンジより約20分

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