太田茶店は食事とお菓子でお茶を飲む親しみやすい森のお茶屋【静岡県・周智郡森町】

OCHA TIMES
太田茶店は食事とお菓子でお茶を飲む親しみやすい森のお茶屋【静岡県・周智郡森町】

静岡県周智郡森町、年間百万人の観光客が訪れる小國神社から車で5分の距離に太田茶店があります。店の前にある大きな赤い急須のオブジェは人気の撮影スポットでもあり、多くの人が記念写真を撮っています。今回取材させていただいた太田茶店は、ランチの「森の息吹」、お菓子の「旬菓の社」、飲んで選べる「お茶屋」の3つでお客さんをおもてなししているお茶屋です。

この記事では、太田茶店のおもてなしの魅力や目指しているお茶屋の在り方など、太田茶店社長の太田貴久さんのインタビューも交えてお伝えしていきます。

太田茶店とは

太田茶店は地元の人々に親しまれている活気あるお茶屋です。ランチの「森の息吹」、お菓子の「旬菓の社」、そして「お茶屋」の3つのおもてなしを通じてお茶を広めています。

駐車場に展示されている大きな赤い急須のオブジェは有名な撮影スポットであり、インスタグラムでは赤い急須を背景に撮影した写真が多く投稿されています。

土日には朝市もやっており、農家の新鮮な野菜やイチゴなどが売られています。


森の息吹~おむすびランチが人気の食事処~

「森の息吹」とは太田茶店のお茶と日本食を一緒に楽しめるランチコーナーです。

主なメニューは350円と550円のおにぎりランチ。ランチのラストオーダーは13:30です。時期によってはとろろ定食も提供しています。

おむすび定食

食堂で注文を受ける度に店員の方が握ってくれるおにぎりの定食。おにぎりを口の中に入れた瞬間、米粒がほろりとほどける感覚に思わず頬が緩みます。

とろろ定食(期間限定)

ふわふわなとろろが美味しいお米にかかった食べ応えある丼。新鮮で高品質な素材があってこその贅沢な定食です。


お茶はセルフサービスのドリンクコーナーで自由に飲むことが出来ます。(コロナ対策の為、現在はお茶を淹れてくれる店員に声をかけて、お茶を提供してもらう形になっています)

現代は飲み物が多様化しており、お茶を知らない子供も多くいます。「森の息吹」はそんな若い世代に「ご飯の時にお茶を飲むと口の中がさっぱりとする」「お茶はご飯とも合う」と、お茶の魅力を発見してもらう場所でもあります。

太田茶店

実際に、「森の息吹」では子供からお年寄りまで三世代揃って食事をしている光景が多く見られ、その際に子供が「ご飯の時にお茶って飲んでいいんだ!」と感動する声を上げています。

冬は扉を閉めきっていますが、夏にはオープンスペースとなっており、すぐ傍になる川岸から心地よい風が入ってきます。地元の人々の憩いの場としても活用されており、その際にはお茶が提供されます。読書される方や寝ていかれる方もいるそうです。

旬菓の社~森の小さなお菓子屋~

「旬菓の社」とは太田茶店のお茶に合う和菓子や洋菓子が提供されているお菓子屋です。

店で提供しているケーキも和菓子もすべて自社工場「旬菓の社」で職人が拘りを持って作っており、何度もリニューアルしています。

ケーキでも和菓子でも、お客さん自身で選べるので自分好みの組み合わせでお茶を頂けます。みんなで作り上げていくお茶屋でありたいと願う太田茶店ならではのおもてなしの形です。

太田茶店では夏限定でかき氷も提供しています。かき氷に使用しているソースは全て太田茶店の手作り。あんこは小豆を焚くところから手掛けており、既製品は全く使用していません。手作りなので用意できるかき氷の数に限りがあり、朝9時から始まると2時くらいにはもう売り切れてしまいます。

▲もう7年以上やっている夏限定の太田茶店のかき氷はあっという間に完売してしまいます。

お茶屋~飲んで選べるお茶の専門店~

太田茶店では浅蒸し茶や珍しい品種のお茶まで幅広い種類のお茶を取り扱っています。また、最高級茶から低価格のお茶まで自由に試飲出来るので、自分好みのお茶を飲んで選べます。

太田茶店前社長でもある現会長が、一宮茶農業協同組合という生産農家の共同工場を株式会社一宮という組織として新しく立ち上げ、太田茶店は生産から小売りまで一貫した販売ルートを確保することが出来ました。

これによりお茶の安定供給安定販売が可能になったのと同時に、生産から販売までのルートが見えるようになったことで品質の安心も保証されています。


インタビュー:なによりも地元を大切にするお茶屋でありたい

太田茶店社長の太田貴久さんにお話を伺いました。


–現在の茶業界について感じていることを教えてください。

お茶業界は全体として厳しい状況が続いています。正直に言いますと太田茶店でもお茶の売り上げは下がっています。しかし、スーパーやデパートなど量販店はお茶の売り上げが下がっていません。それは量販店では買い物ついでにお茶を買う流れになっているからです。

つまりお茶屋に足を運んでお茶を買う必要がない。ただお茶を買うだけあれば、今は量販店で買うのが一番簡単なのです。それをわざわざお客さんに我々のような専門店に来て買っていただくというのであれば、それだけのメリットを提供できなければなりません。

その為には、私達がもう一度お茶屋に立ち戻り、もっと努力する必要があると思います。もっともっと努力しないとお客さんに飽きられてしまいます。商売はあきない(飽きない)とも読みます。

お客さんが飽きてしまわれたら終わりです。お茶屋として自戒の念を込めて、どうしたらもっとよくなるのかを考えながら、農家さんと一緒に美味しいものを作り提供していくのです。

–昨今の茶業界の中では日本でお茶は売れないと見切りをつけて海外輸出に切り替えるという流れもあります。太田茶店のお茶の輸出についての考えを聞かせてください。

輸出やインバウンドというより大きな市場を狙ってビジネスを繋いでいくというのは間違ってはいないと思います。この地域には小國神社という1300年以上の歴史がある観光名所があるので、インバウンドの方も多くいらっしゃるのです。太田茶店をご贔屓にして下さるお客様がインバウンドの方を連れてきてくださることが多い。


太田茶店に連れてこられた外人さんがケーキと一緒にお茶を提供されて「なんだ、この緑の飲み物は」と驚かれるのです。私は「これが日本のお茶です」と言いますと、外人さんは「ケーキは分かるが、なぜお茶なのだ。コーヒーや紅茶ではないのか」と言ってくるわけです。実際にケーキとお茶と合わせて食べていただくと「お茶と洋菓子は合う。これは新しい発見だ」と喜ばれます。

ただ、インバウンドの方にお越しいただきたいと、いきなり外に目を向けてしまうと近所の方々が喜ばないと思うのです。太田茶店は国外や国内よりも地元近所を大切にしていきたい。近所のお客さんが来れば、その周辺のお客さんも来てくれます。周辺のお客さんに連れられて県外のお客さん、国内そしてインバウンドが来てくれるのです。

太田茶店も輸出はしています。しかし、それはあくまでもビジネスとしてです。本音をいうと輸出に手をかけるくらいなら、国内のこの店にもっと手をかけたい。太田茶店は大分増築してきましたが、これはお客さんの要望というよりも私共がやりたいと思うことをやっているだけなのです。

私達は足元から大事にしていきたい。インバウンド向けのグローバルというよりも日本人が立ち入りやすいお茶屋さんを目指しているのです。

▲太田茶店の傍らにある川岸には皇帝ダリアなどの綺麗な花が咲いています。

太田茶店は親しみやすさにこだわる理由とは

–太田茶店が親しみやすさにこだわるのは何故か教えてください。

私達はこの店をやるにあたって、まず県外に出て多くの店をリサーチして周りました。とある田舎でとても繁盛しているパフェ屋があったのです。運営しているのは、おじいさんとおばあさんでした。私達は是非とも話が聞きたいと閉店後に2人相談に乗っていただきました。

二人は私達にこう言いました。美味しいだけではお客さんは来ない。人の笑顔にみんな寄ってきてくれる。お客さんが来てくれて笑顔で帰ってくれる。これが商売のすべてではないか、と。

本当に奥が深い言葉だと思いました。これはお茶だけではなく、全てにおいて通じるものがあります。お茶も笑顔で出すのと渋い顔で出すのとでは味も違いますからね。

以来、私たちはこう心掛けることにしました。太田茶店は営業中電気は消さない。店が潰れるまで電気は付け続ける。暗い店にお客さんは来ないから従業員は明るい笑顔でいよう、と。

太田茶店の裏は公園になっていますので子供達には自由に遊んでもらいます。子供達を遊ばせている間、親御さんには、お茶を飲んでゆっくりと寛いでもらいます。そうやって人が喜んで笑顔になっていく。私達はそんなお客さんの姿を見られることが嬉しいのです。


子供が来る店ということは、それだけ人が入りやすい店だということです。太田茶店に沢山の子供がいる光景を見ると私も嬉しくなって、子供から「お菓子頂戴」って言われたらあげちゃいます。

–お店の商品を無料であげて大丈夫なのですか?

社員から「お菓子あげすぎだ!」と怒られてます(笑)

–そりゃそうですよね(笑)

今の子供達はお茶を出されていないのではなく、そもそもお茶を飲んだことがないのですよ。「森の息吹」で子供がお茶を飲めると分かれば、お年寄りも子供の為にお茶を買ってあげます。お茶は病気の予防など健康飲料としても良いので、そういった面からも広まっていくでしょう。そうやってお茶の習慣が出来ていくのです。

–「森の息吹」とは美味しいランチコーナーであると同時に、急須よりも前に立ち返ってお茶を知ってもらうお茶の広告塔でもあるのですね。

そうですね、昔の日本に立ち返っている。おにぎり、みそ汁、たくわん、お茶。私はこれが日本人としての究極だと思います。この和食文化を通してお茶を普及していき太田茶店という店のファンを増やしていきたいのです。

その為にはお茶屋が入りづらいというイメージを変えなければなりません。この場所をもっと親しみやすいものにしていくのです。太田茶店が目指しているのはは家族向けの小さいディズニーランドなのです。

太田茶店の情報・購入方法

住所 〒437-0226静岡県周智郡森町一宮3822
ホームページ http://www.otachaten.com/

(↑ホームページからお茶の購入も出来ます)

電話番号 0538-84-2020
電子マネー・カード決済 対応済み
営業時間 9:00~16:00
定休日 火曜日
駐車場 あり(50台)
アクセス 遠州森町ICより車で15分

関連記事