おさだ苑

OCHA TIMES
おさだ苑
この記事の文字数3600字
(目次をクリックするとその箇所に飛べます)

「おさだ苑」のカフェメニュー


↓抹茶セット
おさだ苑自園の碾茶茶園で作られる抹茶「野乃」。毎日、店内の石臼で挽いて作っているので、鮮度が高く緑色が鮮やかで、とても飲みやすい。

↓野乃づくし

↓抹茶ソースをかけて、より濃厚な味わいが楽しめる

↓ティーパックのお茶で口の中もスッキリします。

↓抹茶レモンスカッシュは程よい甘さでお茶の風味も感じられる

↓イートインスペースは店内と店外にある。

↓店内では茶香炉が焚かれていて、お茶の良い香りが漂っています。

↓店内の天井は吹き抜けになっていて開放的

↓お洒落な赤い傘の下が店外の飲食スペース。



製茶へのこだわりが息づく本物の味

長田夏海専務にお話を聞かせて頂きました。


長田夏海「おさだ苑のお茶は静岡県産にこだわってやっています。

この店にあるお茶は静岡県産のみで、煎茶は地元森町のものです。」

長田夏海「森町のお茶の特徴は、深蒸し茶が主流です。中蒸しのものも合組して山の香りも残しつつ、コクも出るようにしている。
味は濃いと言われていますが、旨味の中に渋味も若干残っていて、飲みごたえがあります。」

―「おさだ苑では、必ず陶器の器でお茶を出しますよね。これは、飲み口によって味や香りが変わるからですか。」

↓入店時にサービスで出されるお茶とお菓子

長田夏海「そうですね。全然変わります。
私共としては出来る限り陶器で出したい。

ただ、今年に限ってはコロナの影響もあり、感染対策としてプラスチックの器で提供することが多いです。」

お茶業界の情報をSAKETIMESのように発信するのか

長田夏海「OCHATIMESは、お茶業界の情報をSAKETIMESのように発信していきたい、ということですか?」

―「お茶屋同士はあまり横の繋がりがない、と聞いています。私はその繋がりを作っていくことにより、茶業の可能性が開けるのではないかと思うのです。」

長田夏海「静岡県内では地域を越えた、お茶屋同士繋がりがありますよ。

静岡茶業青年団という静岡県内の45歳以下の茶問屋の集まりです。

そういった場で知識や情報は共有していますし、他にも全国をまたいでの組織もあるので、お茶屋同士横の繋がりはある。

ただ、ここ森町という茶産地は浜松から近いことから、小売りはもともと盛んですし、卸売りもありますので、組合をあげて小売りをしている店のマップを作るということはしてこなかった。

今後、こういったサイトがあることで若い人たちが、お茶屋を探しやすくなることは有難い。」

↓お茶タイムズのマップ

コロナの影響はあったのか

長田夏海「緊急事態宣言後は、売り上が前年の半分くらいで推移をして、解除後は徐々にお客様が戻ってきました。

おさだ苑では、通信販売でお茶を購入されるお客様と、来店していただいくお客様がおります。
今回のことで来店は減っても、その分通販は増えたので最終的には特に変わりません。
今まで店に来てくれてお茶を買っていただいてた方が通販に切り替えた印象です。

お客様の多くは県西部の方で、土日にドライブがてら森町に来て半日神社に居たり、お茶を買ってくれたりして帰る、というコースが多いのだと思いますよ。

小國神社に来る人は年間百万人といわれていますし。」

↓小國神社

―「小國神社は有名ですね。私もこれまでに何回か行った事があるのですが、あまり外国人が来ていなかったような気がします。」

長田夏海「もともと、あそこに訪れるのは国内の人ばかりで、今回のコロナの件でも、インバウンドの影響は受けていないと思います。」

―「太田茶店もインバウンドに限って言えば、さほど影響は受けていないと聞いています。普段から大事にしている地元のお客さんで、まわっているそうです。」

長田夏海「地元と言っても、森町という意味での地元ではなく、静岡県西部を意味しているのだと思います。森町は人口が約1万7000人で、お茶屋さんは20件くらいあるので、内需がほぼ無いのです。主に県西部の浜松磐田のお客さんが森のお茶を買ってくれています。」

―「輸出の方はどうでしたか?」

長田夏海「おさだ苑では輸出も少しやっていますが、今は止まっています。欧州はまだコロナが収束していないですから。

ただデータで見る限りでは、全体的にアメリカへの輸出が増えているようです。」

―「意外ですね。アメリカはお茶の旨味をあまり好まないと聞いたのですが」

長田夏海「玉露とか旨味系を理解しているのはフランスとかだと思います。
アメリカでは抹茶を中心に健康食スーパーフードとして受け取られているので、中心は抹茶ですね。」

長田夏海「中国との貿易摩擦もあり、中国産から日本産の抹茶に切り替えるような動きもある。コロナでアメリカの抹茶在庫が減ってきたのか、そうしたところから動き出したようです。アメリカにはアジア系の人も多くいますしね。」

―「若い人達がお茶のスタートアップで動いているようですが、長田さんとしては、どのように捉えているのでしょうか。」

長田夏海「見せ方なんか非常に斬新ですし、若い人がお茶に注目しているだけでも有難いと思います。お茶業界は私が入った時から斜陽産業みたいな流れだった。彼らの活躍から、よりお茶がマスコミにも広まるでしょう。」

↓株式会社tea roomが開発に携わった日本茶の生葉を使用したジンは話題になった

次の世代がお茶を作ろうと思うような業界にしないといけない

長田夏海「これからは、お茶を液体で提供していく、ということは必須だと思います。

お茶を広めていく入口としては

まず液体

ティーバック

そして、粉末での提供となると思います。

出来れば茶葉を売りたいところですが、茶葉で購入してもらって自分で淹れる、となるとその先なんですよね。

まずは、そこまでの入口を作ってあげる必要がある。いきなり茶葉は難しいと思います。」

↓おさだ苑にはお茶の入口にもなるような商品が多く並んでいる

長田夏海「価格帯で言うと100g500円の茶葉が主流になるのではないか、と思います。

これを液体にして提供すれば、一杯当たりの利幅が増えていく。」

(例えば5gの茶葉から抽出した、液体のお茶一杯を300円で売るとすると、100g500円の茶葉から合計で6000円の売り上げを出すことが出来る)

長田夏海「しかし、この方法だと少ない量を売りながら、利益が確保できるようになるので

茶葉全体の需要の減少

少ロット化

原価の下降に繋がります。

そうなると農家さんには、ますます利益が還元されなくなっていき生産者は減っていく。

生産者が減ると供給量が減る。

そうなると当然、我々問屋が農家さんから荒茶を買い入れる際の原価が上がる。

今のままの状態で需要が減り続けて、供給量までも減っていくとなると

最終的に、売れないものの原価が高い、という本当に最悪な状況になる。

今年の森町の荒茶の平均単価がキロ3000円くらい。

袋井で1800円。

磐田だと1500円。

森町の荒茶の平均単価が磐田の倍くらいの値段ですが、それでも、もう農家さんが生産を続けていけない状況になっているのです。

森町も少し傾斜地になると荒廃茶園が多くあります。次世代がお茶を作ろうと思うような業界にしないといけない。

発酵茶「山吹撫子」



長田夏海「山吹撫子は、日本酒でも有名な「静岡酵母」の生みの親である、河村傳兵衛氏により開発された

「微生物制御発酵法」で作られている微生物を使った発酵茶です。

「微生物制御発酵法」は簡単に言うと、お茶に微生物を植えて発酵させる方法で、これによって出来上がったお茶には

新型ポリフェノール「テアデノールA」

「没食子酸」

「クエン酸」など健康に役立つ成分が含まれています。

山吹撫子は感覚としてはプーアール茶に近いかもしれない。農薬、化学肥料は一切使用していません。」

(静岡はもともと2流酒3流酒を作っていたが、河村傳兵衛氏が生み出した「静岡酵母」によって
磯自慢や喜久酔という有名な日本酒が生まれた。静岡の日本酒の知名度高まったのは、この酵母のおかげと言われている)

長田夏海「この発酵技術を県内3社

おさだ苑

カネマツ製茶

荒畑園

がライセンスで製造していて、それぞれのブランドとして発売しています。」

―「発酵系のお茶は面白い。山梨商店の発酵茶も素晴らしかったです。」

長田夏海「そうですね。山梨商店のLA香寿など本当に素晴らしい。

抹茶や煎茶になるとライバルとの価格競争になってしまい、最終的には中国産との競争になってしまいます。

そういったことからも、我々独自の手段を持っておく必要がある。

これからは発酵系のお茶に注目しています。

↓山吹撫子は様々な賞を受賞している


おさだ苑の情報・購入方法

住所 〒437-0215 静岡県周智郡森森1522−1
ホームページ https://www.osadaen-honten.com/

(↑ホームページから購入も出来ます)

電話番号 0538-85-1500
電子マネー・カード決済 対応済み
営業時間 8:30~18:00
定休日 年中無休※元旦のみ休業
駐車場 あり
アクセス 新東名森掛川ICより車で15分

関連記事