ななやの抹茶ジェラートが未来にお茶を伝える懸け橋に【静岡県・東京都・京都府】

OCHA TIMES
ななやの抹茶ジェラートが未来にお茶を伝える懸け橋に【静岡県・東京都・京都府】

静岡県藤枝市に「世界でいちばん濃い抹茶ジェラート」で有名な「ななや本店」があります。運営するのは1907年に創業した丸七製茶。1988年より藤枝の山間で採れた茶葉で抹茶作りをはじめ、試行錯誤の末に初めて、静岡の地で高品質な抹茶を作り出すことに成功しました。現在、藤枝、静岡、牧之原、茶の都ミュージアム、東京、京都の6店舗があり、各店舗で美味しいお茶やスイーツを楽しむことが出来ます。

この記事では、静岡で抹茶作りを始めた経緯や、ななやの考えるお茶の広め方について、ななや本店の小売業務部長のインタビューも交えてお伝えしていきます。

抹茶ジェラートが有名な「ななや」とは

ななやを運営するのは1907年に創業した丸七製茶。世界でいちばん濃い抹茶ジェラートが有名なお茶屋です。静岡に4店舗、東京青山に1店舗、京都三条に1店舗あります。
2010年にそれまではお茶工場だった場所の一部を改装して「ななや藤枝店本店」を開店。

▲静岡県藤枝にある「ななや本店」

2011年の秋に「ななや青葉公園店」
2016年の夏に「ななや東京青山店」
2018年に「ななや京都三条店」
2020年に青葉公園から「ななや静岡呉服町店」へ移転と次々と事業展開。

ななや藤枝本店

住所:静岡県藤枝市内瀬戸141-1
アクセス:JR藤枝駅から車で10分
電話番号:054-646-7783
営業時間:10:00~18:00
定休日:水曜定休(祝日の場合は営業)

和を基調とした開放的な店内には人気のジェラートコーナー、お茶、チョコレート、その他スイーツ、茶器があります。
ティーバッグやリーフ茶の売り場には、天井に篩(ふるい)が吊り下げられています。篩とは網の目を通してお茶の選別をする道具で、ここでは実際に使われていたものがインテリアとして活用されています。

店内にある火入れ機(焙煎機)専属の職人がほうじ茶を焙煎、店内には香ばしい香りが漂います。火入れの様子を目にする機会は少ないので、訪れた人々は興味深そうに覗き込みます。タイミングがあえば、ほうじ茶の出来立てを目の前で詰めて提供してもらえることもあります。

ななや静岡呉服町店

住所:静岡県静岡市葵区呉服町2丁目5−12
アクセス:JR静岡駅から徒歩10分
電話番号:054-251-7783
営業時間:11:00~19:00
定休日:水曜定休(祝日の場合は営業)

和を基調としながらも明るくお洒落な店構え。2020年の11月にオープンしたばかりの店舗です。入ってすぐ目の前にジェラートコーナーがあり、お茶やスイーツ売り場があります。

店舗2階では様々なイベントが定期的に企画されています。2021年1月時点では、お茶を抽出する水によって、お茶の味がどのように変わっていくのかを飲み比べて体験出来るイベントが行われていました。

このイベントでは、事前に世界中から集めた20種類以上の水を、ななやスタッフがテイスティングして絞り込んだ16種類の水を用意。体験者には、この中から3種類の水を選んでもらい実際にお茶を抽出して飲み比べます。
水で味がどのような影響をうけるのかを体験出来ます。

他、静岡には「グリンピア牧之原」「茶の都ミュージアム」にななやの店舗があります。

ななや東京青山店

住所:東京都渋谷区渋谷2-7-12 1階
アクセス:「表参道」駅 B1出口 徒歩7分「渋谷」駅 宮益坂方面出口 徒歩7分
電話番号:03-6427-9008
営業時間:11:00~19:00(年末年始を除く)
定休日:火曜日定休(祝日の場合は営業)

木を基調とした落ち着きのある店構え。店の直ぐ外に設置されている椅子で座ってアイスを食べれます。店内のメニュー表は、ポップで可愛らしく書かれており、静岡店とはまた違った雰囲気を感じます。

ななや京都三条店

住所:京都府中京区柳馬場通三条上ル油屋町92-1
電話番号:075-251-7780
定休日:毎月第一火曜日(祝日の場合は営業)
営業時間:10:00~18:00
アクセス:京都市営地下鉄烏丸線 / 烏丸御池駅(出入口3ー2) 徒歩6分(470m)
京都市営地下鉄東西線 / 京都市役所前駅(出入口3) 徒歩8分(620m)
阪急京都本線 / 烏丸駅(出入口14) 徒歩8分(620m)

シンプルにまとめられた和の趣漂う店構え。店内は奥行きのある作りになっています。カフェは併設されていませんが店内で食べれるように椅子が設置されています。京都の素材を使用した「ななや京都三条店」だけのオリジナル商品もあります。

ななやのメニュー紹介

ここでは、高品質な抹茶作りをしている「ななや」ならではの人気のカフェメニューを、少しだけ紹介します。

抹茶の濃さを七段階から選べる特製抹茶ジェラート

ななや

1988年に静岡で最初に抹茶作りを始めた丸七製茶が、試行錯誤の末に作り出した「ななやの抹茶ジェラート」。抹茶の濃さを7段階で選ぶことが出来ます。

「NO1」のほんのり抹茶の香りがする抹茶ジェラートから「プレミアムNO7」の世界でいちばん濃い抹茶ジェラートまであります。抹茶作りを畑の土作りから携わっている「丸七製茶」だからこそ実現できた「ななやの抹茶ジェラート」です。

その他には
・甘さ控えめなすっきりとしたミルク味の「プレーンジェラート」
・しっかりと玄米の味がする「玄米茶ジェラート」
・ハイボールの爽やかな風味が特徴的の「藤枝ハイボールジェラート」
・ほうじ茶の良い香りがする「ほうじ茶ジェラート」
・和紅茶ならではの香りと甘みが味わえる「和紅茶ジェラート」
など、多くの種類があり、イートイン、テイクアウトが出来ます。

さらに、高品質な抹茶を贅沢に使用しているのが嬉しい「抹茶ティラミス」や、「マカロン」「オムレット」「ベイクドチーズケーキ」などスイーツのラインナップが充実しています。

ななやインタビュー:静岡での抹茶作り挑戦エピソードと未来へのお茶の届け方

ななや藤枝本店の小売業務部長にお話を伺いました。


丸七製茶が「ななや」を県外へ展開していく

ななやについて教えてください。

ななやを運営する丸七製茶は、2007年までは全国のお茶屋さんのOEM(ブランド商品の製造ラインのみ引き受ける)を中心としたお茶の製造卸販売だけをやっていました。

2010年に、それまではお茶工場だった一部の場所を改装して「ななや藤枝店本店」を開店しました。そこで初めて丸七製茶の名前を前面に出したのです。

2011年の秋に静岡の青葉公園店(現在は呉服町に移転)を開店しました。

2016年に東京浅草にあるお取引先のお店から「ご来店のお客様が少ない。どうしたらよいか」と当社の社長にご相談がありました。社長はそのころ人気が出始めていた「ななやの抹茶ジェラートを店頭に置いたらどうか?」と提案をしました。

そして、そのお取引先のお店を「ななや」とのコラボショップにしてに抹茶ジェラートを提供したところ、オープン初日、真冬の早朝から大行列になりました。

浅草のコラボショップだけの1店舗では連日数時間待ちの満席行列状態のため、直営店の「ななや青山店」を開店。東京では、浅草のお取引先のお店と、「ななや青山店」の2つの拠点で「ななやの抹茶ジェラート」をお楽しみいただいております。

さらには、2018年に「ななや京都三条店」を開店しました。これまで静岡以西の地域に「ななや」はありませんでしたので、「ななや」に関西にも来て欲しいという要望を沢山いただいていたのです。海外からの問い合わせメールも「ななや本店」に沢山来るようになりました。

西日本の皆様にも、海外の方にも、健康に良いお茶を知っていただき広くご紹介したい。観光客の多い京都から世界にお茶の良さを広めたい。そうした想いから、抹茶ジェラートも提供できるお茶屋として京都にも「ななや京都三条店」を開店させていただきました。「ななや京都三条店」にはジェラートを作る工房が併設されており、ガラス越しにその様子を覗けます。

「ななや京都三条店」の役割は、抹茶ジェラートだけではなく、お茶全般をお伝えすることです。京都に来られた海外の方に、お土産にお茶を持ち帰っていただき、各国の人にお茶を日本の食文化として知っていただければ、お茶の市場が広がります。

—静岡産の抹茶で京都に乗り込んでいくという形になるのでしょうか?

「ななや京都三条店」で使用している抹茶は京都産です。各種茶品評会等で何度も農林水産大臣賞を受賞された京都の菊岡さんのお抹茶を使用しています。最初は静岡産を使用していたのですが、やはり京都観光に来た方であれば京都の抹茶を召し上がりたいのではないか、と思い京都産に変更しました。お持ち帰り用のカップのみ静岡産を使っています。

「ななや京都三条店」を通して、静岡の良さもお伝えしたいという想いがありますので「ななや京都三条店」には静岡のお茶も置いてあります。

ななやの世界でいちばん濃い抹茶ジェラートができるまで

—ななやの世界でいちばん濃い抹茶ジェラートについて教えてください。

まず第一に、品質が良い抹茶を使用しなければなりません。品質が良い抹茶でないとエグみや苦みが出てしまい、不味くて食べられないのです。品質の良い抹茶を丁寧に点てることで、ゆっくりと鼻に抜ける香りや余韻、抹茶本来の緑色も楽しめる「ななやの世界でいちばん濃い抹茶ジェラート」が出来ます。

作り方を確立するまでに何度も機械が壊れたり多くの苦労がありましたが「ななやの抹茶ジェラート」は、それまでの抹茶アイスとは大分違ったものになりました。

人気が出始めると大小様々なアイスクリームメーカーから何度も注文が来ました。しばらくすると濃い抹茶の飲料やお菓子やアイスが出てくるのです。もしかすると真似されているのかもしれませんが、食べ比べてみると抹茶の品質に違いがあるのは誰にでも分かります。

私達は農家さんと一緒に畑の土作りからこだわっていますし、現在の製法に辿り着くまでには膨大な試行錯誤を重ねました。結局は値段も品質も差がつくと思います。

—静岡での抹茶作りについて教えてください。

1988年に丸七製茶が最初に静岡で抹茶作りを始めました。今でこそ、静岡でも簡単に作れるようになりましたが、想像できないほど無謀なことの繰り返しでした。当時の静岡には抹茶を作る技術が全く無く、十分な知識もないまま始めた抹茶作りは失敗だらけ。京都宇治に行っても一切教えてもらえませんでした。

しかしその分、伝統的な製法ではなく、最先端の衛生管理や食品技術を取り入れることを進めてきました。様々な分野で指導の先生に来ていただき茶園の健康状態をより良くする技術を高めました。沢山のお金や労力を費やして、徐々に皆さんに認めてもらえる静岡抹茶ができるようになっていきました。

ある時「丸七製茶」の抹茶の品質がとても好評で大々的に販売する商談が決まりかけたことがありました。ところが担当トップの方の「宇治抹茶ではないのか」という一言で翻ってしまいました。私達が品質の良い静岡抹茶を作れても、そこにはブランドがなかったのです。

—たしかに抹茶といえば、京都宇治抹茶のブランドが強いと思います。丸七製茶はどのようにして静岡抹茶のブランドを高めていったのですか?

まずは地元、岡部の人に静岡産の良い抹茶を知ってもらう事から始めようと思いました。静岡抹茶の品質の良さを活かすロールケーキやジェラート、プリンといった抹茶の品質の良さが色味や香りに残るような製品を作っていったのです。

地元の子供達も一緒になって藤枝抹茶の絵画コンクールをやってみたりと、まずは地元の人に藤枝の抹茶は良いものだと認知していただき、そこから少しずつ広げていきました。

ななやの抹茶チョコレートは原材料のカカオにまでこだわった

—ななやのチョコレートについて教えてください。

一般的にチョコレートはレシチンなどの添加物やバニラなどの香料が入っています。通常のお菓子屋さんであれば、これを溶かしたものに抹茶を入れて抹茶チョコレートを作っているところが多いかと思います。

社長が「もっとお茶の香りの引き立つチョコレートにしたい」と、香料を使っていないものはないかと探したのですが、満足いくものは見つりませんでした。私達は海外のカカオ農園まで行き、収穫から発酵、乾燥などチョコレートの製造工程を全て体験し答えを見つけ出すことになりました。

そして、私達はカカオバター、糖分、僅かばかりの乳成分といった原材料の段階にまで遡って、抹茶チョコレート作りに取り掛かることにしたのです。「ななやのプレミアムMATCHA7」は発売4年前から試行錯誤を重ねて作り上げました。

—カカオの取り扱いは、お茶とは全く分野が違うと思います。どのような苦労がありましたか?

最初は大きなカカオバターの原材料を砕くところからはじめました。パティシエの仕事というより、大工さんみたいでしたね(笑)。試行錯誤をしながら、段々と溶かし方も分かってきて。私達の望む「お茶の香りのするチョコレート」を作るため、機械を特別に作ってもらう事になりました。

チョコレートも最初はこの店で作っていましたが、チョコレート製造用の大きな機械が何台も必要になったので、製造現場を移すことにしました。現在では牧之原のチョコレートビレッジ内の工場で作っています。

ななやの「藤枝抹茶ロールケーキ」は2種類の抹茶を使用

—ロールケーキについて教えてください。

「藤枝抹茶ロールケーキ」は、ロールケーキの外側の「スポンジ」と中に入っている「クリーム」に、それぞれ異なる2つの品質の抹茶を使用しています。

スポンジは焼いて火を通すので、色味も香りもしっかりとした強い感じの抹茶を入れます。クリームの部分は火を入れないのでスポンジよりも繊細な1ランク上の抹茶を入れます。使用しているのはどれも高級な石臼挽きのお点前用抹茶です。店舗敷地内にある工房でパティシエが作っているんですよ。

ななやの「ボトリングティー」は自社工場で特別抽出して製造

—ボトリングティーについて教えてください。

この度、ボトリングティーを“CRAFT BREW TEA”と名付け、独自の製造方法を考案し設備も立ち上げました。従来のドリンクメーカーにはないお茶屋の経験、意外なノウハウを活かして日々試行錯誤と改良を進めております。今までにないような美味しい日本茶を作り、世界に発信していきたいと思っています。

当社では、産地の荒茶が持つ個性をリズムやメロディーとして捉え、茶葉のブレンドを作曲するイメージで行っております。しかし、せっかく最高のブレンドを作り上げても、急須では水質や淹れ方で味が違ってしまいます。ボトリグンティーであればレコーディングするように世界中いつでもどこでもで同じ味が楽しめます。

ななやの役目は次の世代に日本の良い食文化を伝えていくこと

ここ数年で日本人の食文化は大きく変わりました。お米ではなくパンを食べる。お茶ではなくコーヒーを飲む。お味噌汁なのに味噌を使わない。このままでいけば日本の生産者も食文化も廃れてしまいます。次の世代に引き継いでいけるものは引き継いでいかないと。

日本食が広まれば健康に良いお茶も広まるでしょう。

▲丸七製茶は最も早くハラルやコーシャ、レインフォレストアライアンスなどの海外認証を取得。
15年前から輸出にも力を入れている。

少し前の話ですがイギリスの放送局が日本人の食文化を取材に来られたことがあります。海外の人に比べ、日本人は見た目よりも若く健康的で長生きする傾向があります。

その秘密を探るという目的で、納豆、味噌、海苔といった日本の食文化の取材をされていました。納豆は茨城、味噌は名古屋や愛知など、広範囲を取材されていました。そして、抹茶の取材のために藤枝の山間部の奥の畑まで足を運び、当店にも来ていただきました。

日本に良いものがあるというのは、海外の人でも知っている人は知っているのです。

私達にはお茶の良さを伝えていきたいという想いがあります。本当であれば急須で淹れて欲しいところではありますが、今では急須を持っていないという方も多くいらっしゃいます。そういった中でお茶を広めていく為には
リーフ
ティーバッグ
スイーツ
ボトリングティー
といった「食べる」「飲む」の様々な角度からのアプローチが必要です。

海外から人が来るようになれば、東京青山と京都三条と静岡にある店が導線となり、そこから皆様にお茶の良さや日本の食文化を伝えていけるでしょう。緑茶はまだ世界規模から見れば少数派です。

国内外のお茶の愛好家の皆様に愛飲していただけるように、緑茶の魅力を伝えていきたいですね!

 ~ななや藤枝本店の情報・購入方法~

住所 〒426-0076 静岡県藤枝市内瀬戸141-1
ホームページ https://nanaya-matcha.com/

↑店のホームページから

商品の購入も出来ます

SNS twitter

instagram

facebook

電話番号 054-646-7783
電子マネー・カード決済 対応済み
営業時間 10:00~18:00
定休日 水曜定休(祝日の場合は営業)
駐車場 あり
アクセス JR藤枝駅から車で10分

 ~ななや静岡呉服町店の情報・購入方法~

住所 〒420-0031 静岡県静岡市葵区呉服町2丁目5−12
ホームページ https://nanaya-matcha.com/

↑店のホームページから

商品の購入も出来ます

SNS twitter

instagram

facebook

電話番号 054-251-7783
電子マネー・カード決済 対応済み
営業時間 11:00~19:00
定休日 水曜定休(祝日の場合は営業)
駐車場 なし
アクセス JR静岡駅から徒歩10分

 

おすすめ記事:

静岡駅周辺のお茶カフェ7選!日本茶とスイーツおすすめ店鋪をご紹介

関連記事