静岡茶屋巡り~杉本園~

OCHA TIMES編集長
静岡茶屋巡り~杉本園~

静岡県の牧之原台地で、自然農法有機栽培でお茶作りをしている茶農家「杉本園」

杉本園

牧之原は川根と違って日当たりが良く茶木が丈夫で茶葉が厚いのが特徴です。出来上がるのは「深蒸し茶」。甘く深い味わいの中に若干の渋みが特徴です。

牧之原地方は茶畑の広さが凄い。川根の斜面の茶畑とはまた違った印象です。

杉本園に入ると迎えてくれたのは三男の方でした。

杉本園


ー「こんにちは、茶葉を買いに来たのですが。いろいろ種類がありますね。」

杉本園「はい、どのような茶をご所望でしょうか、よろしければ試飲してみますか?」

↓手摘みの深蒸し茶。川根の浅蒸茶とは違う深みを感じる。

杉本園の方から見る茶業界の現状について

杉本園「杉本園はずっと好評が続いていたと思います。しかし震災の後で一気に落ち込んだんです。」

ー「放射性物質ですか?他の茶農家でも聞きました。確か風に乗って静岡でも検出するようになってしまったと。」

杉本園「はい、2011年にドイツの審査機関に放射性物質の審査をしていただきました。杉本園はお客様との信頼も考えて、その結果を公表することに決めたんです。それを公表したところ一気に売り上げが落ち込みました。最近ようやく売り上げが戻ってきたところです。あと、急須を使ったお茶ということになると買いに来られる方は年齢層が高いと思います。若い方がお茶を買いに来るというのは確かに少なくなってきていると思います。」

ー「日本茶の本当の味を知った上でリーフの茶を飲まないというのであれば、それは仕方ないと思うんですよ。でもそもそも皆日本茶の本当の味を知らないじゃないですか。このままじゃあどんどん静岡茶は元気を失くしてしまう。静岡茶が産業として危険な状態にあるというのに、その割に静岡茶を飲める場所とか、どこにどういった店があるとかパッとわかるサイトとかないですよね。お茶業界もいろいろ複雑で、そういったものがお茶業界から出てくることはないだろうというのも知りました。杉本園さんからみて、どうでしょう、そういったサイトがあることは迷惑に感じますか?」

杉本園「その通りだと思います。しかし、そういったサイトというのは、やはり茶業界内部から出てくることはないかもしれません。有志の方にやっていただくしかと。」

ー「迷惑でなければよかったです(笑)」

牧之原のような日当たりの強い茶畑ならではの深蒸し茶。川根茶などの浅蒸し茶とは淹れ方に違いがあることを知ってほしい。

杉本園「杉本園は農薬・肥料一切使いません。日本と欧州の残留農薬の基準の違い等も考え、いろいろな試行錯誤の結果、杉本農園は完全な自然栽培でやろうと決めました。」

ー「有機栽培ですよね。まだ全体の2%しかないという。大変なんじゃないですか?」

杉本園「はい、しかし世の中にはごく少数ですが、化学物質を一切受け入れられない方もいるんです。シャンプーや洗剤だけでも肌が受け付けないといった方は、たとえお茶でも飲めば飲むほど辛くなります。」

ー「聞いたことあります。日本人の食べるものが変わってから、いろんな体質の方が出てきたとか。」

杉本園「近年ですが、そういった方が出てくるようになったそうです。そういった方にウチの茶は大変良く買われます。」

ー「牧之原の深蒸し茶というと川根茶とは結構お湯の温度が変わりますね。茶葉も大分形が違います。」

杉本園「平地の牧之原の茶葉は山間地に比べて葉が厚いので、細かい針金のような茶葉に仕上げるのはかえって良くないんです。形状は粉っぽい部分もあるのが深蒸し茶の特徴です。お湯もぬるめのお湯で淹れることもあれば熱めのお湯で淹れることもあります。私たちの願いとしては、しっかりとした淹れ方で深蒸し茶を飲んでほしいということです。深蒸し茶は深蒸し茶の淹れ方がありますので。」

ー「お茶は淹れ方で味が大きく変わってしまいますからね。」


以下深蒸し茶の説明です。

 

深蒸し茶の茶葉の形状は山間とは違い、針金状の茶葉が良いとはなりません。深蒸し茶は茶葉が厚いので、針金状に仕上げるとかえって飲みにくくなってしまいます。深蒸し茶の茶葉の特徴としては若干粉っぽいところがあります。出来れば急須も深蒸し茶専用の急須を使用するのが望ましいです。山間部のお茶用の急須と深蒸し茶用の急須では、内部の網目の細かさも違います。

淹れ方としてはまず、沸騰したお湯を湯のみに注ぎます。お湯が冷め、湯のみも温まります。

深蒸し用急須に茶葉(一人約2グラム)と湯のみのお湯を注ぎます。高級茶は60℃から70℃、普通茶は好きな温度でどうぞ。深蒸し茶用の急須は内部の網目が細かいのが特徴です。

お湯を急須に注ぎ30秒~1分ほど待ち、湯のみに回し注ぎます。最後の一滴まで淹れてください!

以上深蒸し茶の淹れ方でした。お茶の種類に応じた淹れ方で主体的に日本茶を楽しみましょう。
上記の画像は杉本農園の画像を使用させていただきました。

牧之原で有機栽培の茶農家を営む杉本園。突然の訪問にも温かく迎えてくれた上に、美味しい深蒸し茶も頂けて嬉しい一時でした。

以上、編集長による杉本園のレポートでした。

お店の情報

住所 〒428-0039 静岡県島田市金谷猪土居3769-3
ホームページ https://ochafarm.com/
電話番号 0547-45-2003
電子マネー・カード決済 現金のみ
営業時間  10:00~17:00
定休日  正月・御盆・不定休
駐車場 あり
アクセス 東名高速道路 牧之原インターから車で5分
新東名高速道路 島田金谷インターから車で13分
東海道線 金谷駅から車で5分
富士山静岡空港から車で7分

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