樽脇園は東京スカイツリーと同じ標高で有機川根茶を作る茶農家【静岡県・川根茶】

静岡県川根本町下長尾の標高メートルに有機川根茶を作っている茶農家「樽脇園」があります。樽脇園は1990年から有機栽培をしており多種多様な生物が生息する循環型農業を行っています。有機栽培茶はお茶の総生産量のわずか2%ほどしかなく、食に関心を持っている多くの人達を惹きつけているのです。
この記事では、有機栽培や現在の多くの茶農家が抱えている問題について、樽脇園代表の樽脇靖明さんのインタビューも交えてお伝えしていきます。
目次
東京スカイツリーと同じ標高の高冷地で有機栽培の川根茶をつくる天空の茶農家
園主・樽脇靖明さんにお話を聞かせて頂きました。
樽脇靖明「遠いところまで、ようこそ。樽脇園へお越しくださいました。お茶をどうぞ。」
樽脇靖明「これは滋賀の焼き物で樽脇園専用の急須なのです。搾り出すように茶を抽出できる。皆一日5分くらいは手を止めてお茶を飲むと良い。今の人々は忙し過ぎるんだ。そうしていて気がついたら歳をとっている(笑)」
—「青々しい爽やかな香りです。若干の渋みの後に旨味が湧いてくるように感じます。」
樽脇靖明「あなたは、どうしてここに来ようと思ったのですか?」
—「オーガニックの川根茶をネットで調べたら、樽脇園が見つかったのです。
山間の茶葉は薄いので、茶を抽出して茶殻になった後、ワサビと七味、ポン酢、柚子味噌で味付けすると、美味しく食べることが出来ます。茶殻まで食べるならオーガニックの方が好ましいかと思いました。」
樽脇靖明「なるほど、酒の肴になりますね(笑)」
—「シングルオリジンも流行り始めていますし、オーガニックならビヨンセとか海外セレブも食いつくかもしれません(笑)」
樽脇靖明「では、樽脇園の茶畑を案内致しましょう。」
現在の有機栽培茶は、お茶の総生産量のわずか2%ほど
樽脇靖明「ここが標高630メートル。東京スカイツリーと同じです。」
—「凄い、静かで綺麗ですね。」
樽脇靖明「樽脇園は1990年から有機栽培をしています。多種多様な生物が生息する、生態系の循環型農業。ですから樽脇園には国鳥も住んでいるのですよ。」
↓国鳥
—「有機栽培茶は、お茶の生産量のわずか2%ほどだそうですね。日光の良く当たる深蒸し茶で有機栽培というのはまだ想像できましたが、日差しの少ない川根地方で出来るとは驚きました。」
樽脇靖明「分かってほしいのは、決して農薬や化学調味料、添加物を一概に否定しているわけではないということです。
仮に全て禁止にしたらどうなると思う?
たちまち日本は食べるものがなくなってしまうよ。
要は摂取する量の問題だ。
大量に摂らなければいい。
コンビニの弁当だって全然食べて良いんだ。
ただ、毎日大量に食べ続けるのは、止めた方が良いかもしれないというだけです。」
—「確かに日本人の平均寿命は延びていますし、お茶を飲む静岡県民の健康寿命は他県に比べて高い、というのがデータとしても出ています。」
樽脇靖明「有機と無機では土俵が違う。あまり比べるようなものでもない。」
樽脇靖明「鹿児島でも有機栽培は増えてきている。オーガニックの需要はある。」
―「鹿児島のお茶は勢いが凄いと聞いています。 」
樽脇靖明「あそこはもう完全な自動化です。人はただ待っているだけで、後は機械が全て刈り取りまでやってくれる。全てが機械化していますから。」
—「そこまで設備が進んでいるわけですか。」
食に関心を持っている人はまだまだいる
—「静岡の茶業が、かなり厳しいと聞いています。茶農家の廃業が続いていると。」
樽脇靖明「私はこの流れはもう止まらないと思っている。ほとんどの茶農家の抱えている問題は高齢化でしょう。彼らが必死に持ちこたえてくれてはいるが、それも長くはもたないと思う。」
―「美味しい茶はある。問題なのはそれが知られていないということです。」
樽脇靖明「生産者は「ただ良いモノを作っていればいい」という考えの人が多い。
忙しくて発信の方法までは手が回らないというのもあると思う。
京都の宇治なんかは、実に発信の方法が上手い商売人だ。
静岡もそういうことをすればいい。「徳川家康が有難がって飲んだ静岡茶」とかね。」
樽脇靖明「食に関心を持っている人はまだまだいるんだ。
樽脇園にも茶の収穫体験があるんだけれど、結構人が来るんだよ。こないだは80人くらい来た。」
—「ここに80人も!凄いですね!」
↓収穫茶体験オーガニック川根茶フェスの様子
樽脇靖明「お茶は高い。問屋に卸す茶農家も減っていくだろう。しかし、ビジネスチャンスはまだまだあると思うよ(笑)」
標高630mの茶畑へのアクセスルート
多少道のりが大変かもしれませんが東京スカイツリーと同じ高さにある循環型農業の茶畑は一見の価値があると思います。以下に簡単にアクセスルートを載せておきます。
↓これはナビのルートです。急カーブの急傾斜。
↓どう見ても一車線分の幅しかない道幅です。
対向車と鉢合わせしないように気を付けましょう。周囲から人の気配が完全に消えるので物凄い不安に襲われることもあります。
標高が高くなるにつれて耳がキーンとしてきます。
↓到着
~ 樽脇園の情報・購入方法~
住所 | 〒428-0314静岡県榛原郡川根本町下長尾1766 |
ホームページ | https://taruwaki-en.jimdo.com/
(↑樽脇園のホームページ) https://taruwaki-en.stores.jp/ (↑樽脇園のオンラインストア) |
電話番号 | 090-2130-8532 |
SNS | 樽脇園のinstagram |
電子マネー・カード決済 | 現金のみ |
営業時間 | 問い合わせ確認 |
定休日 | 不定休 |
駐車場 | あり |
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