樽脇園

OCHA TIMES
樽脇園

東京スカイツリーと同じ標高630mの高冷地で30年以上前から自園自製で有機栽培の川根茶をつくる天空の茶農家「樽脇園」

樽脇園は、標高630mの、高冷地(標高が高く、寒冷な土地)にあります。これは、東京スカイツリー(634m)とほぼ同じ高さで、そのため「天空の郷」と呼ばれています。昼夜の寒暖差が10℃以上と大きく、適度な日光と霧による水分に恵まれた環境は、良質な茶の栽培に最適で、香り高く美味しいお茶(=「山のお茶」の特徴)ができます。~樽脇園のホームページより~

園主・樽脇靖明さんに茶畑を案内してもらいながらお話をさせていただきました。


樽脇さん「遠いところまでようこそお越しくださいました。あなたは、どうしてここに来ようと思ったのですか? 」

—「最近思ったんですが、鹿児島の茶葉は分厚いのに対して静岡の山間の茶葉は薄い。なので茶殻まで美味しく食べることが出来ます。シングルオリジンも流行り始めていますし、私は山間の茶であれば食べてしまいます。茶殻になった後、ワサビと七味、ポン酢、柚子味噌で食べると美味しいんです。どうせならオーガニックであれば、ビヨンセとか海外セレブも食いつくかもしれないと思いネットで調べたらここが見つかりました。」

樽脇さん「なるほど、酒の肴になりますね(笑)」

—「これなら鹿児島茶に対抗できるかもしれない。今や鹿児島茶の勢いは凄まじいです。 」

樽脇さん「あそこはもう完全な自動化です。全てが機械化していますから。人はただ待っているだけで、後は機械が全て刈り取りまでやってくれる。 」

—「そこまで自動化が進んでいるわけですか。」

現在の有機栽培茶は、お茶の生産量のわずか2%ほど。

樽脇さん「樽脇園は1990年から有機栽培で栽培しています。多種多様な生物が生息する生態系の循環型農業ですので国鳥も住んでいます。ここが標高630メートル。東京スカイツリーと同じです。」

—「凄い、静かで綺麗ですね。有機栽培茶は、お茶の生産量のわずか2%ほどだそうですね。日光の良く当たる深蒸し茶で有機栽培というのはまだ想像できましたが、日差しの少ない川根地方で出来るとは驚きました。」

樽脇さん「有機と無機では土俵も違う。あまり比べるようなものでもない。もしオーガニックについて知りたければ奇跡のリンゴという本を読んでみると良いですよ。鹿児島でも有機栽培は増えてきている。オーガニックの需要はあるんだ。ただ農薬や化学調味料、添加物を一概に否定しているわけではない。じゃあ仮に全て禁止にしたらどうなると思う?たちまち日本は食べるものがなくなってしまう。要は摂取する量の問題だよ。大量にとらなければいいだけだ。コンビニの弁当だって全然食べて良い。ただ毎日食べ続けるのは止めた方が良いかもしれないというだけだ。」

—「確かに日本人の平均寿命は延びていますし、お茶を飲む静岡県民の健康寿命は他県に比べて高いというのがデータとしても出ています。」

樽脇さんから見た静岡茶業界の現状「ほとんどの茶農家の抱えている問題は高齢化だと思う。」

—「聞く限り静岡の茶業って結構厳しいらしいですね。茶農家の廃業が続いていると。」

樽脇さん「私はこの流れはもう止まらないと思っている。国や県が茶農家に対して栽培が少なかった場合には最低賃金を保障するというような事でもしない限り無理だろう。ほとんどの茶農家の抱えている問題は高齢化だと思う。彼らが必死に持ちこたえてくれてはいるが、それも長くはもたないと思う。」

—「高齢化が問題だというのは良く聞きます。私は周りから言われることがあるんです、お茶が好きなら茶農家になれば良い、と。でも美味しい茶はもうあるんです。問題なのはそれが知られていないということです。私はそこをなんとかしたい。」

樽脇さん「「ただ良いモノを作ればいい」と。生産者はそういう考えの人が多い。忙しくて発信の方法までは手が回らないというのもあると思う。京都の宇治なんかは実に発信の方法が上手い商売人だ。静岡もそういうことをすればいい。「徳川家康が有難がって飲んだ静岡茶」とかね。食に関心を持っている人はまだまだいる。樽脇園にも茶の収穫体験があるんだけれど、結構人が来る。こないだは80人くらい来た。 」

—「ここに80人も来たんですか、凄いですね!」

樽脇さん「お茶をどうぞ。これは滋賀の焼き物で樽脇園専用の急須なんだ。搾り出すように茶を抽出できる。」

—「青々しい爽やかな香り・・・若干の渋みの後に旨味が湧いてきます。」

樽脇さん「オーガニックでも旨味の強いお茶は出来ますよ。被覆すれば良い。そうして生み出されたお茶であれば、その旨味は他のお茶に引けをとりません。皆一日5分くらいは手を止めてお茶を飲むと良い。今の人々は忙し過ぎるんだ。そうしていて気がついたら歳をとっている(笑)お茶は高い。問屋に卸す茶農家も減っていくだろう。しかし、ビジネスチャンスはまだまだあると思う。」

—「はい。私もそう思います。静岡茶の質は良い。世界では評価が高いのに国内では評価が高くない。どこかで静岡茶が火がつくところを見つけたい。」

標高634mにある茶農家樽脇園。澄んだ空気はその場にいるだけで体が癒される気がしました。多少道のりが大変かもしれませんが東京スカイツリーと同じ高さにある循環型農業の茶畑は一見の価値があると思います。以下に簡単にアクセスルートを載せておきます。


どう見ても一車線分の幅しかない道幅です。鉢合わせしないように気を付けましょう。

ナビのルートです。標高が高くなるにつれて耳がキーンとしてきます。

周囲から人の気配が完全に消えるので物凄い不安に襲われることもあります。

お店の情報

住所 〒428-0314静岡県榛原郡川根本町下長尾1766
ホームページ https://taruwaki-en.jimdo.com/
電話番号 090-2130-8532
電子マネー・カード決済 現金のみ
営業時間 問い合わせ確認
定休日 不定休
駐車場 あり
アクセス 言葉では伝えられません

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