Leaf Paradise(リーフパラダイス)が伝える急須で淹れるお茶の最高の美味しさ【閉店】

OCHATIMES編集部
Leaf Paradise(リーフパラダイス)が伝える急須で淹れるお茶の最高の美味しさ【閉店】

お茶の提供方法は、ティーバッグ、ペットボトル、粉末茶などさまざまですが、今回は静岡市葵区駒形通りにある日本茶カフェ「Leaf Paradise(リーフパラダイス)」をご紹介します。こちらのお店は、急須で淹れるお茶の美味しさにこだわりを持っています。

店主は製茶問屋「ヤマカ勝山商店」の代表取締役である勝山喜弘さん。お客様から注文を受けるたびに、勝山さんが急須で丁寧にお茶を淹れ、お盆に乗せて届けてくれます。現役の製茶問屋の代表による心温まるおもてなしを体験できる日本茶カフェです。

この記事では、Leaf Paradise(リーフパラダイス)を開店した理由や、急須で淹れるお茶の魅力について、勝山喜弘さんのインタビューも交えながらお伝えします。

Leaf Paradise(リーフパラダイス)とは

Leaf Paradise(リーフパラダイス)は、静岡市葵区駒形通りに位置する日本茶カフェです。運営するのは、創業80年以上の歴史を誇る老舗製茶問屋ヤマカ勝山商店。

若い世代に日本茶の魅力を伝えるため、Leaf Paradiseは、若者が入りやすいスタイリッシュな外観を持つ日本茶カフェです。店内は白を基調とし、木の温もりが感じられる落ち着いた雰囲気が広がっています。

店の入り口から見て左側には注文を受けるカウンターとキッチンがあり、右側の棚にはヤマカ勝山商店が丹精込めて仕上げた数々のお茶が並べられています。

棚の最上段には、ヤマカ勝山商店のイチオシのお茶が陳列されています。浅蒸し茶、深蒸し茶、玄米茶、ほうじ茶、和紅茶など、どれも一年を通して販売されています。

2段目には、少し遊び心を感じさせるお茶が並んでいます。勝山さんによると「皆さんがまだ知らないお茶もありますので、そういった新しい発見をしてほしい」とのことです。

各お茶には特徴が簡潔にまとめられたカードが添えられており、お茶に詳しくない方でも分かりやすく、気軽にお試しいただけます。

また、急須やフィルターインボトル、Leaf Paradiseオリジナルの湯呑など、茶器の購入も可能です。


Leaf Paradise(リーフパラダイス)のカフェメニュー

Leaf Paradise(リーフパラダイス)で提供されるお茶は、製茶問屋ヤマカ勝山商店が丹精込めて仕上げた合組茶です(合組とは、様々な産地のお茶を独自の比率で配合し、奥行きのある香味のお茶に仕上げる茶匠の伝統技術を指します)。

カフェメニューでは、注文を受ける度に店主であり製茶問屋ヤマカ勝山商店代表取締役の勝山喜弘さんが、急須で丁寧にお茶を淹れ、お盆に載せて持ってきてくださいます。そんなLeaf Paradise(リーフパラダイス)のカフェメニューを、ここでは少しだけご紹介します。


浅蒸し茶

静岡県内でも高級茶産地として名高い清水の山間地で栽培された茶葉をさらに厳選し、合組したお茶です。山で育まれたお茶が持つ爽やかな香りを感じられる浅蒸し茶です。

Hotのお茶は、1煎目を飲み終わった後、お盆に載っている銀の小プレートを勝山さんに差し出すと、2煎目を淹れて持ってきてくれます。お茶の香味が1煎目と2煎目でどう変わるのかを体験できるのも楽しいです。Coldはオンザロックで提供されるため、1煎のみの提供となります。

玄米茶

香ばしい玄米の香りとお茶の持つ自然な甘味が絶妙なバランスで引き立て合う一杯です。碾茶用品種(抹茶に使用される品種)の「さみどり」が生み出す重厚感のある緑色の水色が美しいです。

和紅茶

もっともポピュラーな品種茶「やぶきた」を使用した和紅茶です。渋みが少なく、優しい甘味と芳醇な香りに包まれ、華やかな味わいが楽しめます。

ほうじ茶ラテ

静岡県産のほうじ茶に黒蜜ときな粉が加わったほうじ茶ラテです。現役プロの製茶問屋が作り上げた、控えめな甘さの中にほうじ茶の香りが立つ上品な味わいです。

手作りもなか

北海道産の小豆と国産きび糖を使用して作り上げた、甘さ控えめの手作りもなか。美味しくて安心安全なものを届けたいという思いから、アイス、お汁粉、あんこなどのサイドメニューは全て手作りです。あんこも小豆を炊くところから手作りした心のこもった逸品です。

茶らびもち

わらび粉を水出し煎茶で溶き、抹茶を練り込んだ茶らび餅は、毎日手作りの数量限定メニューです。早めに注文しないとすぐに売り切れてしまいます。


和風パフェ

Leaf Paradise(リーフパラダイス)のメニューは、暑い夏には冷たいもの、寒い季節には暖かいものがメインになりますが、この和風パフェに限っては年中通して提供しています。店主イチ押しのスイーツです。

夏限定のかき氷

抹茶ソースのかかったかき氷の上に白玉とあんこが乗っている、夏限定メニューです。食べ終えた後には不思議な満足感に包まれます。

裏メニュー:今日のわたし~貴方をお茶に見立てるときっとこんなお茶~

Leaf Paradise(リーフパラダイス)には上記のメニュー表には載っていない裏メニューがあります。それが「今日のわたし~貴方をお茶に見立てるときっとこんなお茶~」です。

注文時に「今日のわたし」をお願いします、と伝えると、勝山さんが長年培った技術と経験をもとに、目の前のお客さんをお茶に見立てたイメージを膨らませ、お茶を淹れてくださいます。

▲OCHATIMES編集長が注文した「今日のわたし」は、さえみどり、あさのか、やぶきたを合組した中蒸し冷茶でした。

勝山さんの目に映るあなたは、一体どのようなお茶になると見られているのか。そんなワクワク感あるメニューに挑戦してみるのも良いかもしれません。製茶問屋を営む現役プロならではの遊び心満載な楽しい一杯です。

インタビュー:Leaf Paradise(リーフパラダイス)で生産者や農家が飲んでいる美味しいお茶を届けたい

製茶問屋ヤマカ勝山商店代表取締役の勝山喜弘さんにお話を伺いました。


–Leaf Paradise(リーフパラダイス)について教えてください。

私は製茶問屋ヤマカ勝山商店の代表取締役を務めています。昭和10年に設立して以来、80年以上にわたって代々お茶作りに取り組んでおり、現在は私で4代目になります。

私たちが提供するお茶の美味しさや安心・安全はもちろんのこと、その理念や使用される原料についても消費者の皆様にお伝えしたいと考え、2019年4月に日本茶カフェ「Leaf Paradise(リーフパラダイス)」をオープンしました

–Leaf Paradise(リーフパラダイス)をオープンした4月は、お茶屋にとって一番忙しい時期になりますよね。大変ではなかったですか?

茶業の繁忙期と店舗の準備が重なり、大変でしたが、少しでも早くお茶の魅力を発信したいという思いで乗り切り、なんとか無事にオープンすることができました(笑)

生産家が真剣に作ったお茶に適切な評価を

お茶業界では、2004年頃から茶価が下がり続けているという問題があります。この状況が続く中、茶農家は質より量を重視する傾向が強まっています。そのため、私たち製茶問屋が取り扱うお茶の多くも、単価が安いものが増えてしまっています。

このままだと、いつの日か、私たちが本当にオススメしたいお茶を提供できなくなってしまうのではないかと心配しています。私が日本茶カフェLeaf Paradise(リーフパラダイス)を開いたのは、このような現状を打破したいという強い想いからです。

最近では、粉末茶やティーバッグなど、手軽に素早く飲める方法が人気ですが、お茶は急須で淹れることで、産地の味を活かした最高の一杯になります。その美味しさを知っていただければ、急須で淹れるお茶の素晴らしさやリーフ茶の良さに気づいていただけると確信しています。

地道な作業ではありますが、生産家が大切に作った素晴らしいお茶に適切な評価を受けてもらうために、私たちができることは、そのお茶を最高の形で提供することだと信じています。

急須で淹れるお茶は奇跡的な美味しさの一杯だと伝えたい

私は、急須こそが最もお茶を淹れるのに適した茶器だと思っています。そして、急須で淹れたお茶は、まさに奇跡の1杯です。だからこそ、生産者や農家さんが普段から急須で淹れて飲んでいるお茶は、驚くほど美味しいのです。

同じ茶葉を使っても、少し高めの温度で淹れてみたり、低めの温度で淹れてみたりするだけで、その味が大きく変化します。こうした変化を楽しむことも、急須でお茶を淹れる魅力の一つです。私は、Leaf Paradise(リーフパラダイス)を通じて、この魅力を消費者に伝えていきたいと考えています。

ちなみに、急須でお茶を淹れることを手間だと感じる方もいるようですが、私自身は一度も手間だとは感じたことがありません(笑)。

▲勝山さん曰く、「急須でお茶を淹れる姿は、日本人の所作として非常に美しい」とのこと。

私は、ただ一つの商店が盛り上がるのではなく、みんなで一緒に盛り上げていくことが大切だと考えています。単一農家が提供するシングルオリジン(※シングルオリジンとは、複数産地のお茶をブレンドする合組茶とは異なり、単一の産地で作られた単一の品種茶をそのままお茶に仕上げるもの。合組茶に比べて個性的で特徴的な香味が楽しめます)も、私たち製茶問屋が仕上げる合組茶の素晴らしさも、両方とも知っていただきたいと思っています。

私たち問屋業が盛り上がれば、茶農家も必ず盛り上がることでしょう!

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 ~Leaf Paradise(リーフパラダイス)の情報~

住所 【閉店】
ホームページ https://www.leaf-paradise2018.com/
SNS instagram
電話番号 054-271-5868
電子マネー・カード決済 現金、paypay
営業時間 11:00~18:30
定休日 不定休(ホームページのカレンダーで確認)
駐車場 なし(近くに有料駐車場有)
アクセス 静岡市役所より徒歩約10分

 

この記事を書いた人 Norikazu Iwamoto
経歴 「静岡茶の情報を世界に届ける」を目的としたお茶メディアOCHATIMES(お茶タイムズ)を運営。2021~24年に静岡県山間100銘茶審査員を務める。静岡県副県知事と面会。お茶タイムズが世界お茶祭りHP、お茶のまち静岡市HP、静岡県立大学茶学総合研究センターHP、農林水産省HPで紹介される。地元ラジオやメディアに出演経験あり。

 

英訳担当 Calfo Joshua
経歴 イギリス生まれ育ち、2016年から日本へ移住。静岡県にてアーボリカルチャーを勉強しながら林業や造園を務めています。カルフォフォレストリーを運営。日本の自然を楽しみながら仕事することが毎日の恵み。自然に重点を置く日本の文化に印象を受けて大事にしたいと思ってます。

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