茶町KINZABRO

OCHA TIMES
茶町KINZABRO
この記事の文字数4300字

茶の町コンシェル会長。ティー・マエストロ前田冨佐男とは

創業から105年目の前田金三郎商店を経営する三代目当主前田冨佐男。格式や時代を大事にしながらも、それに過剰に捉われることなく現代に合ったお茶の在り方を追求する茶処静岡の茶匠。
↓経歴は以下に

・農林水産大臣賞受賞製茶問屋代表

・静岡県知事賞・受賞 「地域のお店」デザイン大賞・受賞
(他にも多数の受賞経歴を持つ。)

↓前田冨佐男著書『日本茶インストラクターって何ナニなに?』

エンターテイメント面でも数々の実績があり

・茶審査 きき茶八段 全国・優勝
・日本インストラクションコンクール・優勝
・TVチャンピオンお茶通王・優勝

前田冨佐男さんは、お茶の3冠王としてお茶のエンターテイメントの頂点も獲った経歴を持つ。

お茶とお菓子でくつろげる空間をデザインした日本茶カフェ「茶町KINZABRO」

2017年に静岡県が行った第1回「地域のお店」デザイン表彰で、茶町KINZABURO はデザイン大賞(県知事賞)を受賞。静岡県の茶業会議所からは「2020年のオリンピックまでにインバウンドを狙い静岡茶屋の100店補をめざす」というプロジェクトの第一店舗として認定された。静岡茶屋は東京も含めて100店舗になるプロジェクト。

お茶屋だけではなく、その繋がりの店も含まれる予定になっており、茶町KINZABUROは静岡茶屋一号店としてアドバイザーもする。

↓店では自慢のお茶や、お茶スイーツがある。(店内の工房で心を込めて手作りしている茶町KINZABROのスイーツは保存料を一切使っていない

茶の専門店による厳選素材使用の手作りワッフル「茶っふる」は人気のお茶スイーツ。

茶っふるはイートインかテイクアウトを選べます。テイクアウトの場合は保冷剤を付けてくるので安心して持ち歩ける。

↓テイクアウトした川根茶味、本山茶味、岡部の玉露味、レアチーズ味の茶っふる。地域ごとのお茶の風味の特徴をしっかりと感じられる。

↓茶器の購入も出来る。

二階のイートインスペースでは十一種類のお茶の無料試飲が楽しめる。

(↓用意されている十一種類のお茶の試飲は全て無料

↓KINZABUROプレート(好きな味の茶っふるをひとつ選んで付けることが出来ます。今回はほうじ茶味を選びました。)

↓お濃茶アフォガード(イートイン限定スイーツ。濃茶とスイーツが合います。)

↓夏限定の茶氷

前田冨佐男さんにお話を聞かせていただきました。

―「製茶問屋である前田金三郎商店が、なぜ日本茶カフェを開こうと思ったのですか?」

前田冨佐男「15年ほど前に静岡大学の岩崎先生が「地域資源を活かしたブランドづくり」というテーマで講演会を開いてくれたのですが、その中のプレゼンで見せてもらったパワーポイントの内容が衝撃だったのです。

それは東京と神奈川の若い主婦にアンケートを取ったもので

「急須で淹れるお茶といえば○○」○○に入る言葉は何ですか?

という質問でした。

私達お茶屋の場合であれば、その答えは「リーフ茶」と答える。
ところが主婦で「リーフ茶」と答えたのは800人中たった2人。

代わりにそこに入る言葉として出てきた答えは「安らぎ」「くつろぎ」「リラックス」だった。」

前田冨佐男「私達が売っているお茶はリーフ茶であり、それを売りたいと思っているのですが、主婦が求めているのは「やすらぎ」「くつろぎ」「リラックス」なのです。そうなると私達が提供したいものと消費者が要望しているものにズレが生じてしまう。

だから私達はリーフ茶を売るのではなく「やすらぎ、くつろぎの体験を売る」という環境を作っていかないと今の生活者は納得してくれない、という結論に達した。

↓前田冨佐男さんの仕立てた自慢のお茶

↓お茶を味わいながらくつろげる安らぎの空間

前田冨佐男「単にモノの提供ではなく

「お茶というモノを買うと、それによって何が体験出来るか」

という提案をセットにしていかないとモノを買ってくれない。
これはお茶に限らないことだと思う。

例えばサンダルであれば、ただサンダル売るだけではなく「サンダルをビーチに持って行ってくと、こうやってビーチライフを楽しめる」という提案をセットにしなければお客さんは納得しません。

お茶であれば「本、和室、無料のお茶、お花の教室などの体験」までセットで提供しなければならないと考えたのです。そうしてこの店を開くことにしました。

↓お茶の淹れ方の教室を開く前田冨佐男さん

茶商の町の伝統を辿ることが観光となる「しずおか・茶の町コンシェル」

前田冨佐男「しかし、こういったコンセプトの店が一店舗しかないのでは心もとない。そこで私は「しずおか・茶の町コンシェル」という構想を提案し、やる気のある有志を募って仲間を集めました。」

前田冨佐男「茶業界の人だけだと見る方向が固まってしまうので、お茶屋だけなくお肉屋、床屋、味噌屋とコラボすることにした。更に静岡文化芸術大学の先生もメンバーに入れることで多角的に考察出来るようにしました。

まず最初にロールモデルの視察として山梨のワインツーリズムを見に行きました。それはワイナリーを周るという目的のもとでお客さんが他の施設や店も周ってくれる、というとても大きな構成で作られていた。

静岡でのお茶ツーリズムとすると、駅から近場の茶の町コンシェルならばいけるだろうと考えた。」

↓茶の町界隈は駅から交通の便も良い。

前田冨佐男「次に長野の小布施にも行きました。ここは栗で有名で栗の町とも言われている。実際に町に行くと栗の匂いがあちらこちらから匂ってきて、とても魅力的でした。

私達は静岡では何ができるだろうと考え、静岡産業大学の先生にお願いして学生の方々に茶の町コンシェルを客観的にモニタリングしてもらいました。

すると皆が「お茶の匂いがする」という。

それは私たちにしてみれば当たり前にある匂いだった。しかし初めてここに来る方はそれに感激する。言われてみて初めて気付きましたが、それは小布施の栗の匂いに感動したことに通じるものです。

↓お茶屋の多い茶町にはお茶の匂いが漂っている。

前田冨佐男「茶町には自転車屋が多い。それはお茶屋さんを周る「才取(サイトリ)」という職業の人々が自転車で町内を移動するのが発祥なのです。「才取」はもとは「利ざやを取る」という意味で、茶農家と茶屋との間に立って口利きをしてくれる方々です。直接農家と茶商が交渉すると喧嘩になるからね。

お茶屋の交渉は朝早い。「才取」が交渉後の食事をする場所として、朝からやっている食堂が茶町には何軒もある。いまでこそコンビニなどあるが、昔はそういった食堂は珍しいものだった。これらも全てお茶の町独特の文化ですね。

―「茶の町コンシェルは新たに何かを作り出すのではなく、既にある長所や特徴を活かすことで成し得る事が出来たのですね。」

前田冨佐男「茶町にあるお茶屋の隣には新茶の木が植えてある。

その育ち具合を観てお茶の時期を見極めることが出来る。

そういうのを巡ったり工場見学をしたりしながら、お茶のスイーツも食べられる。茶町はそうして観光に繋げていけるのです。

↓2階のベランダにはお茶の樹が植えられているのを見れる。

前田冨佐男「この茶町という地域はお茶の町でしかなかった。しかし、この10年でお茶を楽しめるお茶の観光の町という世間の認識が生まれるようになりました。そのことによって、お店にお客さんが沢山来るようになったのです。

「尊して徳をとれ」という信念で動く

前田冨佐男「私は「尊して徳をとれ」という考えを大切に思っています。

お客様には安らぎのスペースを提供するだけでなく手紙も書く。

年間のフェアには上客に対してDMを送らせて戴いております。また、筆ペンで数行ですが、ポイントカードから繋がるお客様との大切なコミュニケーションとして手書きの手紙もポイントカードが貯まる毎に送らせて戴いております。

その数が1万枚に達しました。

そういったアナログ的なことも必要だと思います。そうして繋がることで、良い口コミやリピートも頂いている。

今は手紙を書いた際に扱った情報は、すべてシュレッダーにかけており個人情報は厳重に管理をしています。最初はお客様との繋がりでもあるポイントカードは捨てずに取って置いたけれど、あっという間に3000枚を超えてしまい管理が手一杯になってしまったので保管するのを止めました。

↓前田さんがインタビューの最中に書いて見せたメモ。

前田冨佐男「お茶の世界だけでなく他もそうだろうが、どうしても内向き、閉鎖的な部分がある。
お茶のブレンド一つとっても社外秘。私はそういったところは打破していきたい。

お茶業界も変わらなければいけないと思う。

まずCHANGE(変化)を目指す

しかし、ただ変わるだけでは、そこにはチャンスは巡ってこない、どうすればよいか。

CHANGE(変化)をCHANCE(チャンス)に変えるにはGの部分のTを取ればよい。

Tとは「TABOO(禁止)」を指します。

私はTABOOを解くことにした。

お茶の町に変える(CHANGE)為にお茶の無料試飲コーナーを用意し、工場見学も受け付けることにした。お茶のブレンドというブラックボックス(TABOO)を皆さんに公開する。今までのTABOOを表に出すということで、お客さんに安心感と親近感を与える。それによってファンになってもらう。それがCHANCEになる。

そうして得たCHANCEをお茶業界のCHANGEに繋げ、茶町界隈の活性化とお茶の振興を目指していくのが茶の町コンシェルなのです。


茶町KINZABROの情報・購入方法・お茶体験について

住所 〒420-0018 静岡県静岡市葵区土太夫町27
ホームページ

購入方法

お茶体験について

http://kinzaburo.com/
(↑茶町KINZABROのHP)

 

https://kinzaburo.thebase.in/
(↑茶町KINZABROのお茶はコチラで購入出来ます)

 

https://chanomachi.jp/map_member/kinzaburo
(↑「闘茶(利き茶)&ブレンド体験」がしたい方はこちら。

要事前連絡

・受付期間:7月~翌3月

・定員:3~10名

・費用:各¥500

・所要時間:1時間

電話番号 054-252-2476
電子マネー・カード決済 対応済み
営業時間 平日9:30~18:00

日・祝10:00~17:00

定休日 水曜日
駐車場 あり
アクセス 静岡駅8A(ロータリー郵便局側)120番井の宮線または、6番西部循環 中町まわり(※7番は停まりません)

安西二丁目厚生病院前で下車

広い通りを渡って次の信号から30m先の左側

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