san grams~green tea&garden cafe~(サングラム~グリーンティー&ガーデンカフェ~)で個性溢れる茶農家のお茶の香味を楽しむ【静岡県・菊川市】

OCHATIMES編集部
san grams~green tea&garden cafe~(サングラム~グリーンティー&ガーデンカフェ~)で個性溢れる茶農家のお茶の香味を楽しむ【静岡県・菊川市】

一般的に、消費者に届くお茶は様々な産地のお茶が合組されています。(合組とは:茶師が技術に基づいて茶葉をブレンドすることで)合組する前の単一産地茶葉はシングルオリジンと呼ばれており、お茶の栽培を手掛ける茶農家の個性を楽しむお茶として知られています。

今回紹介するのは、そんな「茶農家の個性溢れるお茶の味わいを楽しむ」をコンセプトに掲げた静岡県菊川市にある日本茶カフェ「san garms〜green tea & garden cafe〜(サングラム~グリーンティー&ガーデンカフェ~)」です。この記事では、「san garms〜green tea & garden cafe〜(サングラム~グリーンティー&ガーデンカフェ~)」の様子やメニューの魅力などを紹介していきます。

san grams ~green tea&garden cafe~(サングラム~グリーンティー&ガーデンカフェ~)とは

san grams~green tea&garden cafe~(サングラム~グリーンティー&ガーデンカフェ~)とは静岡県菊川市にある日本茶カフェです。運営するのは創業120年を超える老舗製茶問屋「丸松製茶」。

▲JR菊川駅南口より徒歩5分程度。菊川ICから車で5分程度とアクセスも良い。

san grams~green tea&garden cafe~では、シングルオリジンのお茶の品揃えや提供方法にこだわりを持っています。

甘味の強いお茶、緑色の濃い水色のお茶、透き通るような黄金色のお茶、爽やかな香りのお茶など、一般の消費者では知ることのなかった個性的でバラエティ豊かなお茶の世界を紹介してくれます。

近代の製茶の土台を築いた高林式製茶機械の製造販売から始まった製茶問屋丸松製茶

丸松製茶は、近代の製茶の土台を築いた高林式製茶機械の製造販売をしていました。そして、機械の販売を通じて繋がった全国の茶農家とのネットワークを活かして、明治32年に製茶問屋業としての営みをはじめました。

茶農家は丸松製茶から購入した高林式製茶機械を用いて、高品質な荒茶を作りました。その後、丸松製茶は機械の販売代金を荒茶の買い取りに充てました。更に、丸松製茶独自の加工技術を用いて製茶仕上げを行い、製茶問屋としての地位を確立していきました。

そして、2015年には「生産者の個性豊かなお茶の味わいを体験することで、合組前の茶葉の持つ個性豊かなお茶の香味を、もっとお茶の世界を知って欲しい」という思いから、シングルオリジンのブランド「san grams~green tea&garden cafe~(サングラム~グリーンティー&ガーデンカフェ~)」を設立。

日本一の大茶園、牧之原台地に接する菊川市にある製茶工場跡地に、シングルオリジンの個性豊かなお茶の味わいを楽しめる日本茶カフェを作り上げました。

san grams~green tea&garden cafe~(サングラム~グリーンティー&ガーデンカフェ~)」の店内の様子

全面ガラス張りの入口から暖簾をくぐり、店内へ進むと、白とグリーンを基調としたシンプルで開放感ある空間が出迎えてくれます。


奥にある壁も全面ガラス張りになっており、その先にはおよそ200種類の花や草木が植えられた約800平方メートルの中庭が見えます。


▲プロのガーデンデザイナーにより仕立てられた約800平方メートルの庭は、四季折々の景観が楽しめます。

中庭には開放的なテラス席があり、四季折々の草花を眺めながらお茶やお茶スイーツを楽しむことができます。このあたりが「グリーンティー&ガーデンカフェ」という名称の由来になっているようです。

▲両側は全面ガラス張りの壁となっており、天気の良い日は自然光が店内に降り注ぎ、気持ち良い雰囲気です。

店内の雰囲気と商品デザインは現代的で洗練されています。菊川産の深蒸し茶を中心に、煎茶、玉露、紅茶、釜炒り茶のほか、個性豊かな生産家のシングルオリジンの茶葉も揃っています。

手前に商品カウンターがあり、試飲もできます。その奥はカフェスペースとなっており、様々なお茶が楽しめます。


▲静岡の古地図をあしらったカフェスペースの壁がおしゃれです。

シングルオリジンとは

シングルオリジンとは、単一の茶園で栽培された茶葉をそのままお茶に仕上げたものを指します。産地の土壌、気候、茶樹の育成方法などから生まれる単一茶農家の個性的な香味を直に感じられるお茶として知られています。

san grams~green tea&garden cafe~((サングラム グリーンティー&ガーデンカフェ)では、日本茶の製法や生産家、屋号、地域の特徴、淹れ方、味わいだけでなく、屋号まで網羅した背景を詳しく紹介しています。

パッケージや販売方法からもシングルオリジンの個性豊かな味わいを楽しんで欲しいという想いが感じられます。


▲静岡県藤枝市岡部町の朝比奈玉露は京都宇治、福岡八女と並ぶ玉露の三大生産地の一つです。岡部の玉露についての詳細はこちらの記事をどうぞ。

一般的に、スーパーなどの量販店で販売されているお茶は、シングルオリジンではなく合組茶と呼ばれるお茶です。合組とは、茶師が伝統的な技術を用いて様々な産地の品種茶をブレンドすることです。お茶は農作物であるため、毎年同じ味には育ちません。

そこで、様々な産地で茶栽培を営む茶農家による香味の違うお茶をブレンドすることで、毎年一定の香味のお茶の味を再現するのです。こうすることで、お茶屋は消費者に安定した味のお茶を提供できます。

サングラムではシングルオリジン茶を中心に、インドの紅茶、ドイツのフレーバーティーなど、世界のお茶を含め、常時約30種類のお茶を購入することができます。

san grams green tea&garden cafe(サングラム グリーンティー&ガーデンカフェ)のメニュー紹介

一言にお茶と言っても、さまざまな種類があります。煎茶、玉露、茎茶、ほうじ茶、紅茶、釜炒り茶など、全て異なる製法で作られており、違った味わいや特徴があります。

それぞれのお茶の香味を活かせるように、茶葉の量、湯の量、湯温度、抽出時間など、淹れ方を変えることで、そのお茶の持つ本来の香味を楽しむことができます。

サングラムではそうした淹れ方を丁寧に教えてくれます。最初の一杯は、店員の方が手本として目の前で淹れてくれます。各茶葉の特徴なども詳しく教えてくれるので、これから自分の飲むお茶の特徴を詳しく知りながら楽しむことができます。

▲店名のsan grams~green tea&garden cafe~((サングラム グリーンティー&ガーデンカフェ)にある「サングラム」は、お茶を淹れる際の適切な茶葉の量「3グラム」が由来だそうです。

創業120年を超える老舗製茶問屋の丸松製茶は、長年にわたり培ってきた製茶技術でシングルオリジンのお茶の個性を活かした仕上げを行っています。

san grams~green tea&garden cafe~((サングラム グリーンティー&ガーデンカフェ)では、そうした個性豊かなシングルオリジンティーやお茶スイーツをカフェメニューとして提供しています。

ここでは、そのメニューを少しだけご紹介いたします。
※カフェで提供しているスイーツは、すべて店内での手作りのため売り切れることもあります。特に週末は混雑が予想されます。

釜炒り茶 シングル

日本の釜炒り茶発祥の地とされる九州宮崎で、お茶作りを営む五ヶ瀬緑製茶産の釜炒り茶です。澄んだ黄金色の水色は静岡では珍しいかもしれません。

口に含むと釜香と呼ばれる華やかで甘い香りが長く続きます。また、ほのかな渋味も感じられ、スッキリとした味わいが特徴です。(釜炒り茶についての詳細はこちらの記事をどうぞ)


▲お茶の情報が詳しく記されたカードも付いてくるので、これから頂くお茶のことを良く知りながら楽しむことができます。

わらび餅抹茶フローズン

わらび餅抹茶フローズン抹茶のフローズンドリンクに生クリーム、あんこ、香ばしいあられがトッピングされています。ドリンクの中にはわらび餅が入っており、食感が面白い一品です。テイクアウトも可能です。

抹茶ガトーショコラ

愛知県西尾産の抹茶を贅沢に使用した濃厚な味わいのチョコレートケーキ。甘いだけではなく、抹茶の風味がしっかりと感じられる抹茶ガトーショコラは菊川深蒸し茶との相性も抜群です。

▲まるで濃厚なベイクドチーズケーキの抹茶ショコラ版のような食感と味わい。濃厚なチーズケーキやショコラが好きな方には特にオススメです。

深蒸し茶ロールケーキ

菊川産のお茶を生地、クリーム、仕上げのパウダーなど、全てにたっぷりと使用した抹茶ロールケーキです。ロールケーキの形状は畝(うね)と呼ばれる茶畑のかまぼこのような形をイメージして作られたそうです。

▲巻かれているのは北海道産の小豆。生地は米粉を使用しておりヘルシーなのが嬉しい。

シングル茶葉のかき氷~夏限定メニューのかき氷(2020年版)~

急須でお茶を淹れるようにシロップをかけて食べるという試みが新鮮なシングル茶葉のかき氷です。注文が入るごとに作る煎茶シロップからは、甘味だけでなく茶農家の個性豊かなお茶の香味がしっかりと感じられます。


▲高く積まれたかき氷にシングルオリジンのお茶シロップを急須でかけていきます。氷が溶けるにつれてほんのりとお茶の香りが漂ってきます。

菊川抹茶みるく~夏限定メニューのかき氷(2020年版)~

菊川産の抹茶を自家製練乳と合わせて作るエスプーマをかけたかき氷。クリーミーな口当たりの中に、濃厚な抹茶の風味も感じられます。氷の中にはきな粉をまぶしたわらび餅が入っており、食べていく途中に触感が変わっていく見た目も触感も楽しめるかき氷です。


松露菓子「あん丸」

抹茶と小豆のこし餡をすり蜜で包んだ松露菓子「あん丸」(松林に自生する丸いきのこの一種、松露(しょうろ)を模したことから松露菓子という名称で呼ばれる)。

口に入れると、しっとりしたやわらかな食感と上品な甘さが広がります。お茶の渋みによく合います。

お茶をより一層美味しく引き立ててくれるこのお茶菓子はサイコロのようなパッケージに入っています。5粒入りの「あん丸」の小箱が9箱美しく収められたお土産も購入できます。まるでパズルのようなお洒落なデザインでお土産にもオススメです。


▲温かい煎茶「深蒸し茶」と、上品な口当たりのお茶菓子「あんまる」のセット。

薄はり氷

寒天と砂糖を煮詰めて固め、表面をシャリッとした食感に仕上げた琥珀羹「薄はり氷」。しっとり炊きあげた小豆と抹茶のバランスが絶妙な抹茶羹、さらに爽やかな柚子と焙じ茶の香りが楽しめる焙じ茶羹の2種類があります。

お茶請け盛り合わせ

菊川産の深蒸し茶をふんだんに使用した深蒸し茶羊羹やほうじ茶を練り込んだ焙じ茶羊羹の2本セット「ささめ」、抹茶小豆と柚子焙じ茶の2種類の琥珀菓子「薄はり氷」、さらにチョコレートケーキなど、お茶によく合う一口菓子の盛り合わせが用意されています。

夏の季節の和菓⼦ 錦玉「楓」

美しく涼しげな和菓子。優しい甘味と豆の風味が広がります。

夏の季節の和菓⼦ ういろう「青梅」

ういろうの生地で白餡と旬の梅を包んだ和菓子です。もちもちした触感がたまりません。

まとめ

店内の客席やテラス席から、豊かな色彩の中庭を眺めながら、ゆっくりとお茶を楽しめる寛ぎの空間となっています。イートインだけでなく、ガーデニング教室や講演会、ハーブティ教室など、多彩なイベントも開催される予定です。

サングラムではお茶うけにぴったりなスイーツや、おいしいお茶を淹れるための道具、作家が手作りした一点モノの茶器セットなどを販売しています。

さらに、スタッフに相談すればお茶の試飲も楽しむことができます。きっと、ここでお気に入りのお茶を見つけることができるでしょう。お茶好きにはたまらないスポットになりそうです。

関連記事 : 抹茶好き必見!お茶の名産地・静岡で味わうおすすめ抹茶スイーツ特集

san grams~green tea&garden cafe~(サングラム~グリーンティー&ガーデンカフェ~)の情報・購入方法

住所 〒439-0006静岡県菊川市堀之内1-1
ホームページ http://www.san-grams.jp/
電話番号 057-36-1201
電子マネー・カード決済 対応済み
営業時間 10:00~17:00

(金曜日は12:00~17:00)

定休日 火曜日、毎月第2木曜日(祝日の場合は営業)
駐車場 あり
アクセス 東海道菊川駅より徒歩3分

 

この記事を書いた人 Norikazu Iwamoto
経歴  「静岡茶の情報を世界に届ける」を目的としたお茶メディアOCHATIMES(お茶タイムズ)を運営。2021~23年に静岡県山間100銘茶審査員を務める。静岡県副県知事と面会。お茶タイムズが世界お茶祭りHP、お茶のまち静岡市HP、静岡県立大学茶学総合研究センターHP、農林水産省HPで紹介される。地元ラジオやメディアに出演経験あり。

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