また来たくなる日本茶カフェ「GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)」──ラテも、抹茶も、おにぎりも!静岡・鷹匠で【静岡県・静岡市】

新静岡駅北口から徒歩約10分。賑わいを見せる新静岡セノバに隣接しながらも、落ち着いた雰囲気が漂う鷹匠地区には、個性あふれるお店が立ち並んでいます。今回取材したのは、2023年にこの地にオープンした日本茶カフェ「GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)」です。オーナーの和田健さんは、老舗製茶問屋「だるま屋和田清商店」を実家に持ち、コーヒー業界での経験を経て、日本茶カフェの世界へと足を踏み入れました。GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)では、丁寧に淹れられたドリンクのクオリティはもちろんのこと、訪れる人々への心のこもったおもてなしも評判で、幅広い層の客層から支持を集めています。
この記事では、オーナー和田健さんのルーツや、GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)に込めた想いについて、インタビューを通じてご紹介します。
目次
GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)とは
GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)は、2023年11月11日に静岡市鷹匠でオープンした日本茶カフェです。日本茶やスペシャルティコーヒーをはじめ、さまざまなドリンクや軽食を提供しています。
外からでも店内の様子が見える開放的な外観が特徴で、広々とした間口が初めての方にも入りやすい雰囲気を演出しています。店内は天井や壁、テーブルなどに木材をふんだんに取り入れ、温かみのある心地よい空間に仕上げられています。
▲店舗設計のコンセプトは「お客さんが小声で話さなくてもいいような開放的な空間」。
オーナーの和田健さんのご実家は、老舗の製茶問屋「だるま屋和田清商店」。GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)で提供される日本茶には、「だるま屋和田清商店」が丹精込めて仕上げた茶葉が使われています。
▲カウンターの一角には、だるまや茶器、雑貨のほか、リーフやティーバッグの茶葉も陳列されています。
また、店内の一角にはギャラリースペースも設けられており、今後はだるまをテーマにした企画展をはじめ、さまざまな展示イベントの開催が予定されています。
GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)のメニュー紹介
GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)では、急須で丁寧に淹れた緑茶、ほうじ茶、和紅茶、玄米茶、釜炒り茶のほか、さまざまなアレンジティーを提供。
さらに、本格的な静岡茶を使ったお茶割りや、オーナーがコーヒー業界で培った技術で淹れるスペシャルティコーヒー、抹茶ラテやシェイク、お茶スイーツなど、バラエティ豊かなラインナップが揃っています。
曜日限定で、静岡市葵区の「片山米店」から仕入れたおにぎりを「えんむすび」の名で販売。お米屋さんが本気で握るおにぎりは、日本茶との相性も抜群です。一部メニューはテイクアウトも可能です。
和三蜜抹茶ラテ
注文ごとに丁寧に点てた静岡抹茶に、和三蜜糖とミルクを合わせた濃厚な抹茶ラテ。上品な甘さと深いコクが口いっぱいに広がります。GOOD TIMING TEAで一番人気のドリンクです。(※写真はICE)
和紅茶
渋みが少なく、蜜のような甘さが広がる、やさしい口当たりの和紅茶です。和紅茶とは、日本で栽培・製造された茶葉を使った紅茶のこと。GOOD TIMING TEAでは、品種「べにふうき」の茶葉を使用しており、香り高くまろやかな味わいが楽しめます。(※写真はICE)
抹茶入り玄米茶
丁寧に焙煎された煎茶に、香ばしく炒った玄米(もち米・うるち米)と上質な抹茶をブレンド。鮮やかなグリーンとふわりと立ち上がる芳ばしい香りが特徴です。リラックスしたいときにぴったりの一杯。(※写真はHOT)
ほうじ茶
GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)のほうじ茶は、「かりがね」と呼ばれる玉露の茎を使用しています。ほうじ茶特有の芳ばしい香りに加えて、玉露ならではの旨みが加わり、深みのある味わいを楽しめる一杯です。(※写真はほうじ茶ICEのテイクアウト)
ほうじ茶プリン
毎日数量限定の自家製お茶スイーツ。クリームが添えられたなめらかな食感のプリンは、ほうじ茶の香りがふんわり広がります。器も特徴的で写真映えする一品です。
釜炒り茶
茶葉を釜で炒って仕上げる「釜炒り茶」は、ドリンクとして提供するお茶カフェではまだ珍しい存在。GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)で初めて釜炒り茶を味わう方も多いかもしれません。
一般的な煎茶にはない、フローラルな香りとすっきりとした後味が特徴です。(※写真はICE/『あんこ玉』とセットで注文)
あんこ玉
静岡市葵区に店を構える大国屋製菓舗の人気和菓子「あんこ玉」。昔ながらの製法で丁寧に手作りされた、美しい見た目と優しい甘さが特徴。日本茶との相性は抜群です。
お茶漬け(玉露)【月曜日・日曜日限定】
静岡県藤枝市・朝比奈産の玉露を使用した、こだわりのお茶漬け。朝比奈は、京都・宇治や福岡・八女と並ぶ玉露の名産地として知られています。その上質な玉露を贅沢に使い、濃すぎずまろやかな旨みと、野沢菜のシャキッとした食感が絶妙に調和。食欲のない日にもサラリと食べられる、やさしい味わいの一品です。
(朝比奈玉露について詳しくはこちらから≫日本三大玉露の地・朝比奈から世界へ。静岡・薮崎園の挑戦【朝比奈玉露・抹茶】を見る)
▲お茶漬けに使用されているお米はおにぎり「えんむすび」にも使用されている片山米店のお米です。
インタビュー:コーヒー業界の知見で磨かれた日本茶カフェ。「また来たい」を生むGOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)
GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)オーナーの和田健さんにお話を伺いました。
グッドタイミングに訪れたい。気軽に本格的な日本茶を楽しめる、新しい茶の間を目指して
— GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)について教えていただけますか?
GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)は、「日本茶の素晴らしさを気軽に知ることができる場所を提供する」というコンセプトのもとに生まれた日本茶カフェです。
店名の通り、皆さまの「良きタイミング」に、お茶のひとときをお届けし、くつろぎと癒しの空間をお届けできればと願っています。
–なぜ、日本茶カフェを開こうと思われたのですか?
私の実家は「だるま屋和田清商店」という製茶問屋を営んでおり、幼い頃から日本茶や茶業に携わる方々に囲まれて育ちました。
日本茶はとても優れた飲み物であり、素晴らしい文化だと感じています。しかしながら、世の中ではコーヒーの人気が強い傾向にあり、日本茶の魅力が十分に伝わっていないと感じるようになりました。
もっと多くの人に、日本茶の美味しさや奥深い文化を知っていただきたい——。そのためには、誰もが気軽に日本茶と触れ合える場所が必要だと考え、GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)をオープンすることにしたのです。
––とはいえ、製茶問屋のお仕事とカフェ営業はまったく異なる分野かと思います。戸惑いはありませんでしたか?
実は、最初は製茶問屋で働いていたのですが、カフェ経営を学ぶために1度コーヒー業界へ転職し、コーヒーショップの店舗運営に約7年間携わりました。その経験は、お店づくりに大いに活かされています。
▲GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)では、コーヒー業界で培った技術を活かしたスペシャリティコーヒーも提供しています。
日本茶をもっとカジュアルに──敷居を下げて、心を近づける。コーヒー文化から学んだ日本茶カフェの運営術
–コーヒー業界でカフェ経営のノウハウを学ばれているとのことですが、今回、日本茶カフェを開くにあたって、特に心がけたことはありますか?
お茶屋さんには、どこか敷居が高いというイメージがあるように感じていました。GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)では、そうした印象を和らげて、誰もが気軽に立ち寄り、日本茶を楽しめるお店にしたいと考えました。
ゆったりとしたティータイムをお過ごしいただけるよう、店内のデザインにもこだわりました。そよ風が通り抜けるような開放感のある空間で、Wi-Fiやコンセントも完備しており、お仕事や勉強などにもご活用いただけます。
また、夏と冬には空調を整え、季節を問わず快適にお過ごしいただける室内環境をご用意しています。
お客様からは、「お茶を飲みながら仕事や勉強がはかどる」「とても居心地が良い」といったお声をいただくことが多く、嬉しく思っています。
▲夏と冬の両シーズンは、空調の効いた快適な室内空間を提供しています。
–たしかに、とても開放的で心地よい空間ですね。コーヒーと日本茶、それぞれドリンクとしての違いについて、感じられたことはありますか?
個人的には、コーヒーと日本茶に大きな違いは感じていません。どちらも、作り手の情熱や、それぞれの文化と深く結びついている点では、むしろ共通していると感じています。
ただひとつ、日本茶業界には、特有の「強いこだわり」が根づいている印象がありますね。
お茶のプロが気づいた「こだわりの落とし穴」。また来たい、と思ってもらえるお茶の届け方とは
–お茶業界の「強いこだわり」ですか?
「適切なお湯の温度や量、抽出方法で淹れた日本茶の素晴らしい風味を知ってほしい。伝統ある文化としての日本茶の魅力を知ってほしい。」というこだわりです。「自分のお茶はこれだ」という想いといってもいいかもしれません。
そうした想いを抱くことは間違ってはいないと思いますし、私もお茶屋の人間なのでその気持ちはよくわかります。
実際、GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)でも、お茶を淹れる時は茶葉のポテンシャルを最大限活かせる最適な抽出方法で丁寧に淹れています。
ただ一方で、時にその「こだわり」が「お客様と向き合う姿勢」よりも前に出てしまうことがあるのではないか、と感じることもあるのです。
たとえどれだけ美味しいお茶をお出ししても、「またこのお店に来たい」と思っていただけなければ、本当の意味でお茶の魅力を届けられたとは言えないのではないでしょうか。
だからこそ、GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)では、「お茶にこだわること」と同じくらい、「お客様に向き合うこと」も大切にしています。
器も会話も、その人に合わせて。GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)が育む、人との温かな間
–お客様と向き合う、というのはどういったことをされているのでしょうか?
すべてを言葉で説明するのは難しいのですが、あえて一言で表すならば、「お客様をよく観察し、その方にとっての最適を心がけること」だと思っています。細かな点を挙げると本当にキリがありません。
たとえば、同じドリンクを提供する場合でも、お客様によって器を使い分けています。ダブルウォールグラス、陶器、テイクアウト用のカップなどを、明確なルールではなく、お客様の雰囲気やご注文の内容を見ながら選んでいます。
ご年配のお客様には、手に馴染む陶器での提供を意識していますし、カップルでいらしたお客様には、途中でテイクアウトにも切り替えられるようなカップを選ぶこともあります。
あとは、「愛嬌」も大切な要素だと思っています。スタッフに親しみやすさがあることで、「また来たいな」と思っていただけるでしょう(笑)
–たしかに。初めて私がGOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)を訪れたときも、とても話しやすく感じました。
ありがとうございます。もちろんリピーターのお客様はとても大切ですが、新しいお客様との出会いも、同じくらい大切にしています。より多くの層の方々に来ていただけるよう、メニューは幅広いラインナップにしています。
もちろん、全てのメニューに確かな品質が必要なことは言うまでもありません。
–これなら、毎日通っても飽きることがなさそうですね。
そう言っていただけると嬉しいです。GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)では、おにぎりもご用意しているんですよ。このおにぎりは、「片山米店」という老舗のお米屋さんから仕入れているもので、これを目当てに来てくださるお客様もいらっしゃいます。
私自身、このお米の大ファンなんです。
–おにぎり片手に日本茶、まさに鉄板の組み合わせですね。
縁起の良いお茶時間をあなたに――心ほぐれる、だるまと日本茶のカフェGOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)
実は私は落語が好きでして、お気に入りの落語家・桂雀太さんがよく口にされる「グッドタイミング」という言葉に影響を受け、店名を「GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)」と名付けました。
▲GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)オリジナルのグッズも販売されています。
「GOOD TIMING」という言葉には、何とも縁起の良い響きがありますよね。「縁起が良い」という意味では、縁起物として親しまれている「だるま」とも繋がるように感じます。
実は、当店を運営する『だるま屋和田清商店』は、製茶業を始める以前は、だるまの製作を生業としており、その頃から「だるまや」と呼ばれ、地域の方々に親しまれていたのですよ。
–なるほど。そう聞くと、店内にたくさんのだるまが飾られている理由にも納得がいきますね。
GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)は、朝9時から夜21時まで営業しており、基本的に定休日はありません。皆さまの「良きタイミング」でのひとときに、ぜひお立ち寄りください。
美味しい日本茶と、心落ち着く空間をご用意して、皆さまのお越しを心よりお待ちしております!
関連記事 : 静岡駅周辺のお茶カフェ11選!日本茶とスイーツおすすめ店鋪をご紹介
おすすめ記事 : 赤い急須が目印!太田茶店が紡ぐおもてなしの心。和食文化で味わう特別なお茶時間【静岡県・周智郡森町】
おすすめ記事 : お茶と人をむすぶ。静岡・御前崎発の日本茶カフェまるよ茶屋の仕掛け【静岡県・御前崎市】
GOOD TIMING TEA(グッドタイミングティー)の情報
住所 | 〒420-0839 静岡県静岡市鷹匠2丁目17-3 望月ビル 1F |
SNS | https://www.instagram.com/goodtimingtea_shizuoka/ |
電話番号 | 054-374-9360 |
電子マネー・カード決済 | 対応済み |
営業時間 | 9:00~21:00 |
定休日 | 不定休(基本的に年中無休) |
駐車場 | なし(近隣にコインパーキングあり) |
アクセス | 新静岡駅から徒歩5分 |
この記事を書いた人 | Norikazu Iwamoto |
経歴 | 「静岡茶の情報を世界に届ける」を目的としたお茶メディアOCHATIMES(お茶タイムズ)を運営。2021~24年にふじのくに山のお茶100選審査員を務める。静岡県副県知事と面会。お茶タイムズは世界お茶祭りHP、お茶のまち静岡市HP、静岡県立大学茶学総合研究センターHP、農林水産省HPで紹介されています。地元ラジオやメディアに出演経験あり。 |
英訳担当 | Calfo Joshua |
経歴 | イギリス生まれ育ち、2016年から日本へ移住。静岡県にてアーボリカルチャーを勉強しながら林業や造園を務めています。カルフォフォレストリーを運営。日本の自然を楽しみながら仕事することが毎日の恵み。自然に重点を置く日本の文化に印象を受けて大事にしたいと思ってます。 |